2016年1月10日放送

再放送
  • 1月16日(土) 午前 5:15
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街は流れとともに
~高知県 鏡川~

およそ33万人が暮らす高知市。その真ん中を縫うように流れる鏡川は、市街地を流れる川でありながら水質が良く、透き通った水は町の景色を映し出します。その様子から、江戸時代に「鏡川」と名付けられました。川は市民に親しまれ、野鳥の観察や伝統の毛針を使ったアユ釣りなど、多くの人々が集まります。また、鏡川の水を使って農作物も育てられていて、その恩恵も受けています。市民に愛される鏡川をめぐる旅です。

鏡川は、市街地にありながら、街の風景を映し出すほどの清流です。川辺は、散歩コースとして、体操の場所として、高知市民にとってかけがえのない憩いの場になっています。野鳥も多く観察でき、愛好家も多く集まります。秋から初冬にかけては、鏡川で冬を越す渡り鳥を観察することができます。時には、ハヤブサの狩りの様子まで見ることも。

鏡川には“清流のシンボル”と呼ばれるアユが生息しています。12月は産卵のため川を下る「落ちアユ」を釣ることができます。仕掛けは虫に似せた形の「毛針」。釣り人は天候や場所によって、色どり豊かな何百種類もの毛針を使い分けます。川のほとりには毛針を専門に作る工房があります。7ミリの針に羽毛や糸を巻き付ける細かい手作業のため、1日30本しか作れません。職人の山本真司さんは、「鏡川で長い間親しまれてきた毛針釣りの伝統を、次の世代へ引き継いでいきたい」と話しています。

鏡川近くのオフィス街では、高知市で300年の歴史がある街路市が開かれています。多い日には400を超す店が並びます。いわば、庶民の台所です。ここで40年間、自家製の野菜を売っている伊藤幸子さん。伊藤さんの畑は鏡川に面した所にあります。かつて、川が氾濫するたびに山の養分が流れ込み、豊かな農地となった場所です。一番の自慢は冬に作る大根。川沿いの畑は、きめが細かく、甘い大根が育つそうです。

旅人 山田敦子から

アユ毛針、というものを初めて見ました。イガイガ!ギザギザ!痛そう!!という予想を裏切って、掌に載せたそれは、まるで輝く小さなピアス。長さ7ミリの針金に、色とりどりの鳥の羽根や糸、ラメまでまきつけて虫に似せ、小さな頭は漆に金ぱくを施して作ります。しかも!微妙な色や巻きの違いで何百も種類があってひとつひとつに名前があり、さらに種類は増え続け・・・という、とんでもない世界が目の前にありました。草食のイメージの強いアユがなぜこの美しい毛針で釣れるのか。好奇心?それともキラキラに惑わされる?・・・なんだか人間くさいなあと思ってしまったことでした。

鏡川へのアクセス

<電車>
JR土讃線「高知」駅以西の各駅から徒歩
とさでん交通の各駅から徒歩

<車>
高知自動車道 高知ICから南西へ

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問い合わせ先

鮎釣りについて
鏡川漁業協同組合
088-873-9766
毛針ついて
高橋毛針
088-873-5319
街路市ついて
高知市産業政策課街路市係
088-823-9456

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