2015年6月14日放送

再放送
  • 6月15日(月) 午前 11:05
  • 6月20日(土) 午前 5:15
    ※一部地域は別番組
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清き流れ 里潤し
~富山県 黒部川~

標高2924メートルの鷲羽岳(わしばだけ)を源に、日本海へと流れ出る、富山県の黒部川。国内屈指の急流として知られています。雪解け水で水かさが増す5月、川はサクラマス漁でにぎわいます。黒部川が切り開いた扇状地にある黒部市は、豊かな水を生かした米作りが盛んですが、先人たちは苦労を重ねて田んぼを作り出しました。清らかな湧き水を使って作られるお菓子「水だんご」。味の決め手は、やはり水。川と暮らす人々の思いを訪ねる旅です。

北アルプス中央部の鷲羽岳(2924メートル)を源流に、日本海へと流れ出る、黒部川。国内屈指の急流として知られ、豊富な水量を誇ります。富山県黒部市では、古くから、川を中心とした暮らしが営まれてきました。町のいたるところで湧き出す、黒部川の伏流水。生地(いくじ)地区では、その水を“清水(しょうず)”と呼び、洗濯をしたり、果物を冷やしたりと、生活には欠かせません。清水のまわりでは、女性たちが井戸端会議に花を咲かせます。

黒部川の豊かな水は、流域の田畑を潤します。雪どけ水が多く流れ込む5月半ば、田植えは最盛期を迎え、水をたたえた田が鏡のように輝きます。人々が、古くから田植えの目安にしてきたのが、山肌の雪が溶けてあらわれる、「雪形」(ゆきがた)。町を見下ろす北アルプス・僧ヶ岳(そうがだけ)の斜面に、お坊さんや、馬の姿が現れると、田植えの時期だと言い伝えられてきました。

5月、黒部川では、サクラマス漁も最盛期を迎えます。産卵のために、多くのサクラマスが遡上して来るのです。身は、鮮やかな紅色、脂がのっていて、しょうゆがつかないほど。投網を打つ人々にとって、サクラマスが取れるこの時期は、一年でもっとも心浮き立つ季節です。警戒心が強く、取るのが難しいと言われる、サクラマス。清流が育む川の幸を受け取ろうと、雪どけの冷たい流れのなか、奮闘する人々の姿がありました。

旅人 山田敦子から

田園の向こうにそびえ立つ北アルプスの峰々。まだ白く雪を抱いて初夏の陽に輝きます。「あれが皆雪解け水になって流れてくる」と農家の大川さん。一部は黒部川の急流に、一部は地中深く伏流水となって里を潤します。生地地区には21もの湧水(清水)があり、清水によって味ややわらかさが違うといいます。地元の子どもたちにはそれぞれお気に入りの清水があり、中には「利き酒」ならぬ「利き水」のできる子もいるとか。最初はどこの水を飲んでも「おいしい!」だけだった私も、少し味わいの違いが分かるようになって旅を終えました。

生地地区の「清水」へのアクセス

<電車>
・あいの風とやま鉄道「生地駅」から、車で5分
・北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」から、車で15分

<車>
・北陸自動車道「黒部インターチェンジ」から、車で15分

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問い合わせ先

生地地区の「清水」について
黒部市 商工観光課
0765-54-2111(代表)
「黒部川」での漁や釣りについて
黒部川内水面漁業協同組合
0765-76-0704(代表)

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