2015年5月31日放送

再放送
  • 6月1日(月) 午前 11:05
  • 6月6日(土) 午前 5:15
    ※一部地域は別番組
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心つなぐ島遍路
~愛媛県 伯方島~

瀬戸内海の「しまなみ海道」が架かる島のひとつ、愛媛県伯方島(はかたじま)。古くは製塩業で知られ、いまは造船・海運業で栄える島です。5月、島は「島四国」と呼ばれる江戸時代から続く行事で活気づきます。島に88か所あるお堂を四国霊場に見立てて、遍路を行うのです。お遍路して歩くのも、お接待するのも皆、島の人たち。孫との遍路を心待ちにする元船乗りや、お接待するのを楽しみする92歳の女性など、小さな島の物語です。

伯方島で遍路が始まったのは、およそ200年前。海を隔てた四国八十八か所霊場に行く余裕がなかった島民たちが始めたとされています。島にあるお堂には、それぞれに1番から88番までの番号が振られており、名前も四国霊場の寺と同じです。お堂は、ほこらのような小さなものから、人が入ることのできる大きなものまでさまざま。中には弘法大師がまつられていて、「お大師さん」と呼ばれ親しまれています。

島四国のお堂は、ふだん近所の人たちがお世話をし、地域の交流が生まれる場にもなっています。33番札所の「雪蹊寺」に集まっているのは、80代と90代の4人の女性たち。毎日、お経をとなえたり、トランプや世間話を楽しんだりしています。島四国の当日は、こうしたお堂でお接待が行われます。五目ごはん、お菓子、ジュースなど、思い思いの品でお遍路さんをもてなします。

5月9日(旧暦3月21日)は弘法大師の命日。日頃の感謝とことし一年の無事を願って、島の人が朝から一斉に遍路に出かけます。本物の四国八十八か所と違い、島四国はまわるお堂の数も順番も、人それぞれ。友達同士や親子連れで楽しみながら歩きます。元船乗りの村上利光さんは、40年にわたり無事に航海できたことをお大師さんに感謝して遍路を続けています。島の外に住む孫と遍路に出て成長を見るのも楽しみの一つです。

旅人 国井雅比古から

島の高台にあるお堂から女性たちの元気な声が流れてきた。90歳を先頭に、80歳以上の女性が4人。朝から昼までお堂の掃除をしたあと、トランプやおしゃべりを楽しむ。高台だから眺望もすばらしい。瀬戸内の島々の緑、行き交う船の航跡の白。初夏の風が吹き抜けてゆく。女性たちは子どもに戻ったように、ひたすらババ抜きを楽しんでいる。過ぎゆく時間が止まったというのではない。時間が消えたという充足感。こんな場所があるのだ。本当にうらやましい!!

伯方島へのアクセス

<車>
(愛媛側から)西瀬戸自動車道(しまなみ海道)今治IC→伯方島IC(約30分)
(広島側から)西瀬戸自動車道(しまなみ海道)西瀬戸尾道IC→伯方島IC(約45分)

<電車・フェリー>
JR松山駅→今治駅(特急で約40分)→今治港(徒歩20分)
今治港→木浦港(フェリー、一日8便・車両の乗船不可)

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問い合わせ先

伯方島について
今治市役所伯方支所
0897-72-1500

※NHKサイトを離れます