2015年5月24日放送

再放送
  • 5月25日(月) 午前 11:05
  • 5月30日(土) 午前 5:15
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海の道 みちびく
~神奈川県 横須賀市~

神奈川県三浦半島の東南に突き出した小さな岬、観音崎。古くから交通の要衝とされ、1日500隻の船舶が行き交います。かつては灯台守が守っていた海。今は、東京湾海上交通センター、通称「東京マーチス」が24時間休みなく、海の安全を見守っています。観音崎に連なる小さな集落は、海の守り神「走水神社」に抱かれ、海の恵みを受けながらの暮らしが続いています。海の道を見守り、たくましく生きる人々と出会う旅です。

東京湾の玄関口にあたる浦賀水道に面した観音崎は、古くから海を守る拠点でした。岬の突端に、全国初の洋式灯台として知られる観音埼灯台があります。今は無人化されましたが、かつては灯台守が海の安全を守っていました。昭和32年公開の映画「喜びも悲しみも幾年月」も観音埼灯台が舞台の一つ。灯台に住み込んだ灯台守夫婦の物語です。番組では、昭和58年から3年間、駐在していた灯台守と出会いました。そこには、灯台守の誇りがありました。

観音崎には、海の安全を守る海上保安庁の施設があります。東京湾海上交通センター(通称:東京マーチス)では東京湾に浮かぶ船をレーダーでとらえ、行き来を把握しています。特に重要なのが、大型の船が安全に東京湾に出入りするようサポートする管制官の役割。専用に設けられた航路が混み合わないよう、時間や間隔の調整を行い、無線で各船に連絡します。船が航路を外れてしまったり、他の船と接近してしまったりした時も、無線で注意を促します。

観音崎から徒歩15分の走水。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)がここから対岸の房総半島へ渡ったという伝承があり、ゆかりの「走水神社」は、海の守り神として知られています。潮の流れが速く、四季折々の豊かな海の幸に恵まれる走水。取材で訪れた4月下旬は、昆布とマコガレイの季節です。1年を通しての走水の特産と言えば、アジ。釣り客にも人気の走水のアジは、魚体が見事な金色に輝き、成長がよくて大ぶりなのが特徴。漁師たちは、身を傷つけないよう、一本釣りで大切に釣り上げます。

旅人 山田敦子から

元灯台守の古賀さん。各地の灯台を回り、観音埼灯台を最後に昭和61年定年退職。海の安全を守り続けた年月の厳しさに、引退後は一度も灯台を訪れようとはしませんでした。ところが、偶然NHKで映画「喜びも悲しみも幾歳月」を見、まさに自らの人生だと心動かされました。ちょうどその頃、私たちは映画の舞台となった観音埼灯台を旅しようとしていたのです。何と不思議なご縁でしょう。現地でお会いした古賀さん、30年ぶりの灯台を前にさまざまな思い出が込み上げます。お話を聞きながら私たちも、孤独で辛抱強い灯台守の日々にしばし思いをはせました。

観音崎へのアクセス

<電車>
京浜急行本線浦賀駅から観音崎行バスで15分。
JR横須賀駅から観音崎行きバスで30分

<車>
横浜横須賀道路馬堀海岸ICから約5分。
国道16号⇒走水⇒観音崎、国道134号⇒久里浜⇒観音崎。

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問い合わせ先

観音崎全般に関して
県立観音崎公園
046-843-8316

※NHKサイトを離れます