2015年5月17日放送

再放送
  • 5月18日(月) 午前 11:05
  • 5月23日(土) 午前 5:15
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山里の ひのき舞台
~埼玉県 小鹿野町~

秩父山地に囲まれた、埼玉県小鹿野町は「歌舞伎の町」と言われています。江戸時代に歌舞伎役者が、この地の人たちに伝えたのが始まりとされ、現在も「農村歌舞伎」が年間およそ20回も上演されています。役者は皆、農家や会社員など町の人たち。かつらや衣装なども地元の人が担当しています。子どもたちも幼い頃から歌舞伎を習いながら、地域の一員として成長していきます。歌舞伎でつながる人と町を訪ねる旅です。

小鹿野は秩父山地の中にある山間の町です。かつては江戸と信州・上州を結ぶ街道の宿場町・物流の集散地として栄えました。今も町の中心部には、生糸や絹織物で財を成した豪商の館が残されています。また、中心部の商店街には歌舞伎の名場面を写した写真がおよそ80枚飾られています。写っている役者はいずれも町の人たち。今も年に20回を超える歌舞伎公演が町内で上演されています。

歌舞伎が盛んな集落のひとつが、津谷木(つやぎ)。毎年5月3日、地元の木魂(きむすび)神社に歌舞伎を奉納しています。舞台に立つ人は、仕事を終えてから稽古に励んでいます。6年前からは子供歌舞伎も始まり、今年は5歳から17歳までの男女14人が舞台に立ちました。この中から将来、小鹿野の歌舞伎を背負って立つ人材が出てくるかもしれません。

小鹿野町では役者だけでなく、太夫、下座、衣装、化粧、道具などの裏方もすべて町の人がつとめます。半世紀に渡ってかつらを一手に引き受けてきたのが黒澤シズノさん。自宅の作業場には100個を超えるかつらが保管されており、公演のたびに、役柄や役者に合わせてかつらを選んで仕立てます。髪に油をなじませるのに数時間、結い上げるのに数日かかる物もあるそうです。

旅人 国井雅比古から

秩父は「小さな旅」で何度か訪れたが、今回はその西の端、もう一山越せば群馬県という小鹿野町。町名も物語に出てきそうに優しくかわいげだが、町のたたずまいも全くそのとおり。小高い山に囲まれ「秩父の小京都」と呼びたくなった。古くから交通の要衝で、生糸、絹織物で栄えた。その面影が今も残る。引き継がれてきた文化の象徴が町の人たちによる歌舞伎。新緑のまぶしさと共に胸に残る。

アクセス

<電車>
(東京方面から)池袋から西武鉄道で「西武秩父」駅(特急で約80分)→西武観光バス「小鹿野役場」下車(約45分)。
(高崎・熊谷方面から)熊谷から秩父鉄道で「秩父」駅(約1時間)→西武観光バスで「小鹿野役場」下車(約40分)

<車>
関越自動車道・花園ICから国道140号線を秩父方面へ。秩父から国道299号を小鹿野方面へ。(花園ICから小鹿野町まで約45キロ)

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問い合わせ先

小鹿野町での歌舞伎の公演予定について
小鹿野役場 おもてなし課
0494-79-1100
歌舞伎や舞台など、小鹿野町の伝統文化について
小鹿野文化センター
0494-75-0063

※NHKサイトを離れます