2015年4月5日放送

再放送
  • 4月6日(月) 午前 11:05
  • 4月11日(土) 午前 5:15
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オアシスを探して
~東京 大手町界わい~

日本経済を支えてきた大企業が集まるビジネス街、東京・大手町界わい。再開発が進められ、街は大きく姿を変えようとしています。
一方で、多くのビジネスマンが働くこの街には、昔から大切にされてきたものも残されています。取り引きがうまくいくよう、願掛けにくるのは将門塚。仕事の合間にほっと一息つく、レトロな風情の喫茶店。異動の時期、花屋には送別会用の花を求める人の姿が。ビジネス街で働く人たちの“オアシス”を訪ねる旅です。

平安時代、この地にまつられたといわれる平将門の塚、将門塚。ここには、多くのサラリーマンが足を運び、手を合わせています。「取引がうまくいくように」「転勤の希望がかなえられるように」ビジネス街ならではの願掛けが行われているのです。最近では、再開発プロジェクトに関わる建設関係者も、工事の無事を祈りにやってきます。また、つかの間の安らぎを得られる場所として、長年通い続けている人も少なくありません。

大手町のビルの下、縦横に広がるのは巨大な地下商店街。その一角に、48年前から営まれている喫茶店があります。ここは、高度経済成長の頃からずっとサラリーマンの憩いの場となってきました。常連の中には、サラリーマン生活を引退した後も、大手町にやってきては店を訪れ、昔話に花を咲かせている人。マスターの柏原孝夫さんの人柄にひかれ、転職など人生の節目になると、相談にくる現役のサラリーマンもいます。

大手町の近く、皇居に面した通り沿いに、90を超す会社や店が入るビルがあります。そのビルの地下で、40年以上前から営まれている花屋さん。ビルのテナントをはじめとした会社の、受付や応接室に飾る花、転勤や退職の送別会で贈られる花束などを作ってきました。常連客の中には、会社の移転や退職でこの街を離れた後も、店主の北郷佳壽子(ほんごう・かずこ)さんにひかれ、通い続けている人もいます。

旅人 国井雅比古から

東京に住んでいながら、大手町周辺はほとんど足を踏み入れたことがない。「小さな旅」でも大都会のビジネス街を取材するのはまれだ。訪ねてみて驚くことばかり。平安時代の関東武士の塚の前で、商売繁盛を祈るサラリーマン。工事の無事を祈る土木関係者。超近代的なものと中世が同居している?!そして多くのビジネスマンが忙しく行き交う地下街には、半世紀近くも心を通わせ合うオアシスとしての花屋や喫茶店があった。大都会でも人はほのぼのと交流してきたのだ、と実感!

アクセス

<電車>
東京メトロ 大手町駅(千代田線・東西線・半蔵門線・丸の内線)
都営地下鉄 大手町駅(三田線)
<車>
首都高速「神田橋I.C」より1分

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