小さな旅のしおり

一覧

麗しの水 蔵の町へ ~福島県 喜多方市~

投稿時間:2018年11月 4日 08:24 | 投稿者: | 

kitakatamain2.jpg飯豊連峰(いいでれんぽう)の豊かな伏流水が注ぎ込む福島県喜多方市。230年あまり続く酒蔵では、新酒の仕込みが始まっていました。代々大切に水を守ってきた酒蔵には、水の神様を祭った神棚が。豊かな水に感謝して手を合わせます。名物の喜多方ラーメンも、おいしさの秘訣はやはり喜多方の地下水にありました。山あいの地域のそば店には、水だけでそばを食べる「水そば」というメニューも。水の恵みとともに文化を育んできた町を旅します。


今回の放送内容

kitakata1.jpg江戸時代から続く老舗の酒蔵では、日本酒の仕込みが始まっていました。酒づくりに使う水はすべて飯豊連峰からの湧き水。酒米も地元産にこだわり、湧き水を引いて自分たちの手で育てています。この日仕込んでいたのは純米大吟醸。酒米を半分以上削り、湧き水に浸して水分を含ませます。米を蒸す前のこの作業が酒の良し悪しを決めるといいます。200年以上変わらず湧き出しているまろやかで甘い水。その豊かな水に感謝し、今日も神棚に手を合わせます。


kitakata2.jpg喜多方といえばラーメン。実は喜多方ラーメンのおいしさの秘けつも山の水にありました。若菜紀子さんの店で使っているのは、店の裏にある井戸からくみ上げた井戸水。水の優しさが、あっさりとした滋味深いスープを作るのだといいます。しかし震災後、大切にしてきた井戸水が枯れそうになったことがありました。そんな窮地を救ってくれたのは、父が念のためにと掘っていてくれていたもう一つの井戸。この水がなければ店を続けていなかったかもしれないと紀子さんは話します。受け継がれた水で作る、喜多方ラーメンです。


kitakata3.jpg喜多方市の西端、飯豊連峰の山あいにある30軒足らずの集落、宮古地区。この地域では昔からそばが食べられてきました。婚礼や葬式など人が集まるときには必ずそばが出され、凶作で米が取れない時にはそばを主食として飢えをしのいだといいます。現在、集落にある8軒のそば屋で昔ながらのそばを食べることができます。なかでもこの地域ならではの食べ方が「水そば」。つゆなどを使わず水だけでそばを味わいます。飯豊の水がそばの風味を最大限に引き出します。


旅人・山田敦子アナウンサーより

kitakatayamada.jpgのサムネイル画像喜多方は昔「北方」だったそうです。良い字をあてて改名したところに愛が感じられますね。さてその喜多方を潤すのは飯豊山からの湧水。柔らかで優しい軟水です。これが喜多方の日本酒やラーメンの味の土台になっているとか。確かに、日本酒もラーメンも、街の水場で飲んだまろやかな水が確かに舌に感じられるのです。酒造りには良い水が大事なのは知っているけれど、ラーメンとは?実は、ラーメンのスープはもちろん、麺にもたっぷりの井戸水を加えて作っているのだそうです。なるほど道理で、と合点が行きました。


喜多方へのアクセス

kitakatamap.jpg

〈電車〉
JR磐越西線「郡山」駅→「喜多方」駅(約2時間)

〈車〉
磐越自動車道「会津若松」IC→国道121号線で約20分


問い合わせ先

▼喜多方市について
 喜多方観光物産協会 0241-24-5200


前へ

次へ


月別から選ぶ