小さな旅のしおり

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さくら色の水辺で ~横浜市 大岡川~

投稿時間:2018年4月22日 08:24

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ソメイヨシノにジンダイアケボノ。満開の桜並木が彩るのは、横浜市の中心部を流れる大岡川です。ここは、明治時代からの桜の名所。いまも毎年10万人を越える人々が桜を楽しみます。戦時中に伐採された桜並木を地元の人たちは少しずつ時間をかけて再生してきました。桜の枝で染めた繊維で着物を作る老舗の呉服店の主人や、毎月少しずつ「桜募金」に寄付を続ける80代の女性。都会の桜に思いを寄せて生きる人々と出会います。


今回の放送内容

okasakura1.jpg川の近くにある創業68年の呉服店では、毎年、大岡川の桜を使った着物や帯などを作っています。病気や老衰のため伐採された桜を区からもらいうけ、枝を煮詰めて染料を作り、生地に桜の風合をよみがえらせるのです。店主の吉原清次郎さんは、今年も新しい帯を制作しています。柄の題材にしたのは、川の護岸の側面で花を咲かせる小さな桜。台風や川の増水にも負けず、コンクリートの隙間に一生懸命根を張る生命力に、心ひかれたと言います。「あの桜が成長するのと同じように、自分もまだまだがんばらないと」。桜とともに、歩みを進めます。


okasakura2.jpg大岡川は、古くから桜の名所として親しまれてきました。しかし戦時中、燃料不足を補うために多くの木が伐採されました。いま花を咲かせているのは、昭和40年代に再び植えられた桜です。地元の人々は自ら水やりやせん定などを行い、地域ぐるみで大切に育ててきたといいます。現在、桜の管理は行政によって行われていますが、地元の人たちは今も「募金」という形で桜の保全に貢献しています。川沿いのマンションで暮らす湯浅京子さんもその一人。窓から見える美しい花吹雪、それを見に集まってくる友人たちとの花見会など、心を和ませてくれる桜に、感謝の思いを毎月少しずつ届けています。


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様々な船が行き来する下流で、ひときわにぎわいを見せていたのが花見の遊覧船です。船長の永井等さんは、イタリアのゴンドラを模した船で乗客を楽しませます。かつて、貨物船の乗組員として世界中の海を旅していた永井さん。家族と離れて暮らす日々の中で、長男の宗一さんを交通事故で亡くします。以来、息子と一緒に過ごす時間を持たなかったことを悔い続けてきました。永井さんは今、市内の養護施設の子どもたちを毎年船に招待しています。「親元を離れて暮らす子どもたちに、もっともっと笑顔をあげたい」。この仕事を人生の集大成だと感じています。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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今年の桜花は疾風のごとくやってきて、去っていきました。お花見の予定を急きょ早めたり、早められずに残念な思いをしたりした方も多かったのでは? 私たちも、「まだ散るな~」「もう一日頑張れ~」と念じながら、幸いお天気は良かったのでせっせせっせと満開の桜を撮影して回りました。旅を終えて家に戻ったら、ピンクの花びらが一枚床に落ちました。大岡川から知らずに運んできたものと思われます。思いがけない旅のお土産、旅に持参した本に挟んでおきました。いつかまた読み返した時に思い出とともに発見するように。


大岡川へのアクセス

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〈電車〉
京浜急行「日ノ出町」駅~「弘明寺」駅
横浜市営地下鉄ブルーライン「伊勢佐木長者町」駅~「弘明寺」駅
いずれも徒歩5~10分ほどで川沿いへ

〈車〉
首都高速「横浜公園」IC、「阪東橋」IC、「花之木」IC
いずれも鎌倉街道に出て5分ほどで川沿いへ


問い合わせ先

▼大岡川の桜並木・桜の募金・桜の再利用プロジェクトについて
 横浜市南区役所 045-341-1212(代表)


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