2019年03月03日 (日)

幸せの赤い提灯(ちょうちん)~長崎県 新地中華街~

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春節を迎え、赤いちょうちんが輝く長崎市の新地中華街は、日本で最も歴史のある中華街です。先祖が開いた店を受け継ぎ、日本に帰化した今も中国人としての一家の歴史を大切にしながら生きる花火店の店主。華僑だった妻の父の味を守り、長崎の食文化を後世につなごうと奮闘するちゃんぽんの製麺所の2代目。一度は途絶えてしまった中国伝統の"龍踊(じゃおどり)"を復活させた日本人たち。国境を越えて共に生きる人々の暮らしを見つめます。


今回の放送内容

nagasaki1.jpg長崎新地中華街で見つけた花火の専門店。3代目店主の張仁春さんは、明治時代に長崎に渡ってきた華僑の子孫です。結婚をきっかけに帰化して日本国籍を取得しましたが、華僑と日本人が隔てなく暮らす長崎だからこそ自分は生きてこられたと話します。一方で、中国人として生涯を終えた父・兆明さんが書き残していたのは、中国から脈々と続くルーツをまとめた家系図。父のふるさとへの思いを知った張さん。中国の血も大切に、これからも「長崎人」としてこの地に根を張って生きていきます。


nagasaki2.jpg中華街の中心部にちゃんぽんの製麺所がありました。華僑が編み出し、長崎に広まったソウルフード、ちゃんぽん。その麺の、太くもちもちとした食感や独特の風味の鍵を握るのは、中国から伝来した「唐灰汁(とうあく)」という成分です。華僑である妻の実家を継ぐ形でこの製麺所の2代目となったのは、日本人の大坪正一さん。先代である義父の味にはまだまだ届かないと話しますが、華僑の、そして長崎の、大切な食文化を受け継いでいくことに生きがいを感じる毎日です。


nagasaki3.jpg長崎の空に舞う、勇壮な龍踊(じゃおどり)。江戸時代、唐人屋敷に住む中国の商人たちが踊ったのが始まりです。しかし、唐人屋敷が解体された明治以降、この地での龍踊の文化は途絶えました。平成になって復活させたのは、町の電器屋さん・秋浦利栄さん。昔のような地域の賑わいや、あたたかい近所付き合いを取り戻したいとの気持ちからでした。誰よりも喜んでくれたのは華僑たち。チーム全員分の舞台衣装を贈ってくれました。日本人と華僑が手を取り合って復活した龍踊が、後世へ伝えられていきます。


旅人・山田敦子アナウンサーより

yamadanagasaki.jpgのサムネイル画像

恥ずかしいことに、長崎ちゃんぽんの麺とラーメンの麺が全く別物だということを知りませんでした。かんすいの代わりに唐灰汁(とうあく)を練りこんだ麺は柔らかくスープに溶け込むよう。実際唐灰汁が溶け出して、食べ始めと終わりではスープの味が違うのだとか。具は様々な魚介、肉、野菜が仲良く一緒に盛られています。中華街で出会ったのは華僑の方、自分の代で日本国籍を取り帰化した方、妻の実家の華僑の商いを継いだ方。様々なルーツの方が仲良く一緒に暮らします。人も麺も「ちゃんぽん」に、良い味を出していました。


長崎県 新地中華街へのアクセス

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〈電車〉
JR「長崎」駅で長崎電気軌道(路面電車)に乗り換え「長崎駅前」→「新地中華街」電停(約10分)

〈車〉
長崎自動車道「長崎」IC→出島道路経由 降りてすぐ


問い合わせ先

▼長崎の観光について
 長崎市コールセンターあじさいコール 095-822-8888

▼長崎新地中華街について
 長崎新地中華街商店街組合 095-822-6540

投稿時間:08:24


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