2019年02月24日 (日)

紙漉(す)く女神の里 ~福井県 越前市~

echizenmain.jpg福井県越前市の山間にある五箇(ごか)地区は50軒の工場が並ぶ越前和紙の産地。この町では古くから紙漉(す)きは女性の仕事です。戦後の建築ブーム、ふすまや障子紙の生産を担った女たち。この道50年のベテラン女性は、紙漉きに使う道具作りを学び、衰退の一途をたどる町を支えます。美しい模様和紙を手がける工房では、一人の若き女性が父から秘伝の技を教わりました。脈々と受け継がれるたくましき女神たちの魂に触れる旅です。


今回の放送内容 

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しんしんと雪が降る静かな町を歩いていると、和紙工房から立ち昇る、真っ白な湯けむりが目に付きます。朝早くから職人たちが、和紙の原料となる「こうぞ」や「みつまた」を煮ているのです。町の人々が信仰を寄せるのは、山のふもとにたたずむ「岡太(おかもと)・大瀧神社」。ここには、田畑が少ないこの町に紙作りを授けたとされる、女神「川上御前」が祭られています。それ以来、繊細さと忍耐が求められる紙すきは、この町では女性の仕事とされてきました。


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無地のふすま紙を作る家族経営の工房で出会ったのは、紙すき歴50年の姉川民枝さん。生産がピークを迎えていた高度経済成長期、2人の子どもを夫の両親に預けながら、朝から晩まで紙をすいてきました。仕事に家事に働き者の民枝さん、3年前から、紙すきに欠かせない竹の敷物「簀(す)」の作り方を学んでいます。簀とは、竹を丸く極細に削り、絹糸で編み上げたもの。簀作り職人が町からいなくなってしまった今、紙すきを絶やさないようにと、一生懸命、簀を編む毎日です。


echizen3.jpg1500年の伝統を誇る越前和紙。それぞれの工房では、脈々と伝えられてきた技法を用いた美しい装飾和紙が、今も生まれています。明治時代から続く工房の当主、長田和也さんが受け継ぐ技法は、「飛龍(ひりゅう)」。経営不振が続き、「飛龍」が自分の代で途絶えることも考えていた工房に、昨年、長女の泉さんが帰ってきました。技を絶やさないようにと修業に励む泉さんが、この冬、父から「飛龍」の技法を学ぶことになりました。親から子へ、一家の誇りが受け継がれます。


 旅人・山本哲也アナウンサーより

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寒い冬は紙の繊維をつなぐトロロアオイのねばりが増すのでいい和紙ができる、だから「寒すき和紙」がいちばんだと。越前和紙を手ですいてきたのは女性たち、その手は、ふっくらとして柔らか。冷たい水で紙をすき、合間に熱いお湯で手を温める、この長年の繰り返しで手すきの手になるとか。地道で厳しい作業が和紙を作る、手を作る。間近で目にした越前和紙の歩み。和紙の需要が減っていく中で奮闘するベテラン職人姉川民江さん、父の後を継ぐ新人の長田泉さん親子、微笑ましくも、その姿に胸が熱くなりました。ありがとうございました。


越前市 五箇地区へのアクセス

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〈電車・バス〉
JR北陸本線「武生」駅→福鉄バス南越線「和紙の里行き」もしくは「赤坂行き」で「和紙の里」下車

〈車〉
北陸自動車道「武生」ICより車で約10分


問い合わせ先

▼五箇地区の観光について
 越前市観光協会 0778-23-8900

▼和紙作りについてや紙すき体験など
 越前和紙の里 パピルス館 0778-42-1363

投稿時間:08:24


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