2018年07月22日 (日)

せせらぎ華やぐ 水中花 ~滋賀県 米原市 醒井~

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滋賀県米原市の醒井地区。旧中山道の風情が残る町には、清流「地蔵川」が流れています。川底の石がくっきり見えるほど透明な川の水は、昔から地元の人々の生活に使われ、今日まで大切に守られてきました。道行く人の目を楽しませようと、川に花を飾る90歳の女性。清流から生まれる味を受け継ぐ老舗料亭。水中に咲き誇る梅花藻の花と、花を楽しみに訪れるお客さんを迎える喫茶店の店主。清らかな流れを愛する醒井の人々を訪ねます。


今回の放送内容

samegai1-1.jpg地蔵川の流れの中に飾られた、彩り豊かなお花たち。90歳の江竜千代子さんが生けたものです。川のすぐ目の前にあるしょうゆ蔵に嫁いだ千代子さんは、長年おかみとして店の切り盛りをしてきました。80歳で引退してからは、店の裏の小さな畑で、野菜や花の手入れをするのが日課です。そして何よりの楽しみは、丹精こめて育てた花を、地蔵川に生けること。清流に花を飾り、道行く人々とのふれあいを持てる喜びを噛み締めつつ、川の流れとともに暮らしを続けます。


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醒井の本陣跡にある老舗の料亭では、地蔵川の水を調理場に引き込んだ生けすを使っています。生けすにいるのは、川の下流で育てられたニジマス。育った環境と同じ水を使うことで、マスを元気に生かしておくことができるのです。5代目の鹿取禎幸さんは、実家であるこの料亭で生まれ育ちました。料理に使う水は、全て醒井の水。料理人になり、この水の豊かな味わいに改めて気付かされたといいます。清流から生まれる故郷の味を受け継ぎます。


samegai3-2.jpg6月末から8月にかけて、地蔵川にはバイカモ(梅花藻)の花が咲き誇ります。バイカモとは水草の一種で、清流でしか育たない貴重な植物。梅のような白い花を咲かせます。バイカモの花はやがて、太陽の光を求めてまっすぐ立ち上がり、水面から顔をのぞかせます。かれんな姿は、醒井の人々に夏の訪れを告げる風物詩です。いつもは穏やかな醒井の町も、この時期は多くの観光客でにぎわいます。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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昨夏、伊吹山に登り、「ヤマトタケルが白猪(実は伊吹の荒神)に出会い、大氷雨を見舞われて命からがら下山した」という伝説を知りました。今回訪れた湧水の里醒井は、その下山したヤマトタケルが正気を取り戻した泉なのだそうです。なるほど透き通るほど清らかな水。地蔵川のほとりに立つヤマトタケルの像も片手をあげて「私はよみがえった」ポーズ。そこから流れ出たせせらぎはバイカモやハリヨを養い、流域の家は自分の水場を持ってお茶や野菜を冷やしたり水やりをしたり。穏やかな水が間近にある生活のなんともいえない豊かさを感じる旅でした。


米原市 醒井地区へのアクセス

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〈電車〉
JR東海道本線 「米原」駅→「醒ヶ井」 駅(約5分)

〈車〉
北陸自動車道高速道路「米原」IC→国道21号を関ヶ原方面へ(約5分)


問い合わせ先

▼醒井地区や梅花藻(バイカモ)について
 米原観光協会 0749-58-2227
 

投稿時間:08:24


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