2018年04月15日 (日)

門出の春に ~東京 八丈島~

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東京から約300キロ、伊豆諸島の八丈島。人々は、豊かな海や温暖な気候がもたらす自然の恵みを受けて、生活を営んできました。春を迎え、港は活気づき、牧場には緑があふれます。名産の干物くさやを作る家族は、高校を卒業して島外へ就職する息子を気にかけていました。島で守り続けられてきた伝統の絹織物「黄八丈」は、新たな門出を迎える親子に寄り添います。伝統を胸に生きる島の人びとを訪ねます。


今回の放送内容

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春を迎えた島の港に、次々と揚がるトビウオ。この新鮮なトビウオで作られるのが、島名産の干物、くさやです。加工場を営む長田隆弘さんは、明治時代から使われてきたというくさや液で、伝統の味を受け継いでいます。この仕事に誇りを持てるようになったのは、40代になってからだったと話す長田さん。今気がかりなのは、この春高校を卒業し、島外へ就職する息子のことです。都会の荒波にもまれながら、自分が誇れる生き方をいつか見つけてほしい。旅立ちの季節、親から子への思いを見つめます。


hachi2.jpgのサムネイル画像海からの風を受ける緑豊かな牧場では、乳牛が放牧で飼われています。その牛乳を使って作られる乳製品は、島の外でも評判です。チーズ職人をしながら牧場を営む魚谷孝之さんは、かつて千葉県の企業でチーズを製造していました。しかし、牛を育てるところから関わりたいとこの島に移住。島の人々は魚谷さんを仲間として迎えました。かつて盛んだった八丈島の酪農が衰退していく中、ともに夢を育てています。


hachi3.jpg黄、樺(かば)、黒の3色を基調に作られる、島伝統の絹織物「黄八丈(きはちじょう)」。かつては年貢として納められ、嫁入り道具にもなるなど、島の人々の生活に根ざしてきました。老舗の工房では、島の植物を使った染色方法や、織り方など、昔ながらの作り方が守られています。この春、島の小学校を卒業する女の子たちが、黄八丈を着て卒業式に出席しました。伝統を胸に、健やかに。新たな門出を彩る島の色です。


旅人・山本哲也アナウンサーより

yamamoto.jpgのサムネイル画像小一時間かけて登った八丈富士からの眺めは最高。麓には、旅立つ我が子への期待と寂しさを吐露する家族あり。子供への愛情をこんなに素直に語れることに、しっかり子育てをしてきた証、そして八丈という島の“情け島”たるを見た気がしました。黄八丈を卒業式に着させるのも島の温かさ。日頃の暮らしで忘れがちな何かに気付かされました。


八丈島へのアクセス

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〈飛行機〉
羽田空港→八丈島空港(約1時間)

〈船〉
東京・竹芝桟橋→底土港(約11時間)


問い合わせ先

▼八丈島の観光について
 八丈島観光協会 04996-2-1377

投稿時間:08:24


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