2018年03月04日 (日)

いにしえの炎 立つ ~島根県 奥出雲町~

okuizumomain.jpg島根県奥出雲町は、古来の鉄作り「たたら製鉄」の里として知られています。砂鉄と木炭だけで作り上げられるたたらの技は、純度が非常に高く、良質な「玉鋼」を生むといいます。いにしえより棟梁の「村下(むらげ)」の間で口伝で伝えられてきたこの技。終戦を境に一度、途絶えましたが、昭和50年代に再興されました。たたらから発展した「炭」や「そろばん」の文化が、今も土地の人々の暮らしに息づいています。


今回の放送内容

tatara1.jpg島根県奥出雲町で、今も行われている古来の製鉄法「たたら製鉄」。これにより作られる良質な鋼は、「玉鋼(たまはがね)」と呼ばれ、日本刀作りに欠かせません。木炭や砂鉄など、山陰の自然の恵みから鉄を生み出す技は、先人が長い年月をかけて生み出したもの。三日三晩もの間、職人は炉の炎と向き合い、自然の力を引き出していきます。刻々と変化していく炎の色は、まるで太陽が一日をかけて姿を変えていくよう。いにしえの技が守られています。


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たたら製鉄で大量に木炭が使われたこの辺りには、「山子(やまこ)」と呼ばれる炭焼き職人が数多くいました。そのため、里の人たちの間にも炭焼きが根付いていたといいます。良質な炭は、煙が出ず、灰も少ないため、掘りごたつにぴったり。今も多くの家庭で使われています。じんわりと温かい炭のこたつが、冬の暮らしを包みます。


tatara3.jpgのサムネイル画像

奥出雲は、全国有数のそろばんの産地です。その背景には、たたら製鉄との意外な関係がありました。そろばんの材料となるのは削るのが難しい堅い木。その加工を可能にしたのが、たたら製鉄から生まれた良質な刃物だったのです。この町で、習い事と言えばまずそろばん。町の多くの子どもたちが、放課後そろばん教室に通っています。小学2年生の糸原陽くんのそろばんは、かつて祖父から父に贈られたもの。戦後の貧しい時代に育ち、早くから働きに出た祖父の、勉強への願いが孫へと託されます。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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雪降り積もる奥出雲で、伝統の技「たたら製鉄」を見ました。陵のような四角い粘土の炉、炉を包んでごうごうと燃え盛る炎、そのゆらめきをじっと見つめる総指揮者=村下(むらげ)。そこを支配するのは神事のような厳かさ。計器も一切ないこの空間で、五感だけを頼りに、砂鉄と木炭から最高級の玉鋼を生み出すのです。「砂鉄も木も自然の恵み」と村下は言いました。「鉄を作るのは神様」とも。変幻極まりない炎とその陰のどこかに、いにしえの神の気配を私も感じました。


奥出雲町へのアクセス

okuizumomap.jpg

〈電車〉
JR山陰本線「出雲市」駅→「宍道」駅でJR木次線乗り換え→「出
雲横田」駅(約90分)    

〈車〉
松江自動車道 「高野」ICから約30分
または、中国自動車道「東城」ICから約1時間
または、山陰自動車道「宍道」JCT→松江自動車道「三刀屋木次
」ICから約30分


問い合わせ先

▼奥出雲の観光情報について
 奥出雲町観光協会 0854-54-2260

投稿時間:08:24


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