2017年12月24日 (日)

香箱に真心ぎゅっと ~石川県 加賀市~

kagamain.jpg白波立つ冬の日本海に、にぎわいを見せる小さな港町があります。石川県加賀市の橋立漁港です。浜を一色に染めるのは、「冬の味覚の王様」ズワイガニ。夜明けとともに漁師たちは水揚げに追われます。一回り小さいメスは、「香箱ガニ」と呼ばれ、子供のおやつや家庭の味として親しまれてきました。仲買人の祖父を手伝う10歳の少年や、行商一筋60年のおばあちゃん。「冬のまっ赤な宝物」とともに生きる北陸の浜を訪ねます。


今回の放送内容

kaga2.jpgのサムネイル画像カニが並ぶ冬場の競りは大忙し。2時間ほどの間で5トン近いカニが競り落とされていきます。そんな市場で、大人たちの間を動き回る少年がいました。田川隆ノ介くん、小学校4年生です。仲買人の祖父・南出幸則さんが競り落としたカニを運び出す手伝いをしています。腰には「魚」と書かれた前掛け。市場に並ぶ魚の名前もばっちりです。「将来はじいちゃんを継ぐ」と力強く話す隆ノ介くん。未来の仲買人は浜の大人たちに囲まれて育ちます。


kaga1.jpgのサムネイル画像カニ漁が解禁になる11月。北陸では悪天候が続きます。特にシケが多かった今年、船長の二上優人さんは小屋で網を繕いながらなぎを待っていました。「だめなときはだめ」と語る優人さん。待つこともまた漁師の仕事です。妻の紀代美さんは、優人さんが漁に出た朝には掃除をしないと語ります。荒れる海に出て行った夫が帰ってこなくなるようなことが無いように・・・。浜に伝わる女たちの祈りです。


kaga4.jpgのサムネイル画像朝の住宅街に威勢の良い声を響かせてやってくるトラック。堀川洋子さんは、市場で買い付けた魚を売る行商人です。橋立には30人ほどの行商人がいますが、この道60年の洋子さんは一番のベテラン。なじみのお客さんたちとも気の置けない仲です。風の日も雪の日も、毎夜仕込みをして、朝から行商に出る日々。2人の子供を育てながら、病を患った夫を支えてきました。真心が詰まったカニや魚を、今日も皆が待っています。


旅人・山本哲也アナウンサーより

kagayamamoto.jpg

北陸の冬の味覚、香箱ガニの卵とみそ(内子に外子)のもちもち感、香り、そして甘みの強さは格別のものでした。それにしても、ブリ起し(雷)の音の大きいこと、10分でころころ変わる天気、突如降り出すあられに驚くばかり。これだけ安定しない天候の中、カニ漁に出て、港での出荷、そして行商と、カニでつながる橋立の人たちの暮らしに、自然厳しい北陸の冬のぬくもりを感じました。


橋立漁港へのアクセス

kagamap.jpg

〈電車〉

各線「金沢」駅からJR北陸本線「加賀温泉」駅(約1時間)→加賀周遊バス「橋立」下車(約30分)

〈車〉

北陸自動車道「片山津」ICから約10分


問い合わせ先

▼橋立漁港周辺の観光について
 加賀市観光協会 0761-72-7900

▼橋立漁港について
 石川県漁連加賀支所 0761-75-1111

投稿時間:08:24


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