2017年11月26日 (日)

我が山河 豊饒に ~千葉県 養老渓谷~

youroumain.jpg千葉県南部、上総丘陵の中央に位置する養老渓谷。急峻な山々と深い谷でかたち作られた渓谷では、自然の中で工夫を凝らしながら生活が営まれています。鮎やうなぎなどの川魚漁が行われ、人々の生活の糧となってきました。一方、山では盛んに行われた炭焼きが廃れ、猪や鹿の格好のすみかとなっています。渓谷の大地から湧き出る黒湯と天然ガスは人々の暮らしをあたためます。山河の中で、たくましく生きる人々と出会いました。


今回の放送内容

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渓谷沿いの道を歩いていると、川の中に人が。養老渓谷伝統の漁法でうなぎ漁をする正木源康さんです。川の中に30個ほどの仕掛けを仕込み、翌朝うなぎがかかるのを待ちます。渓谷沿いの集落に住む正木さんの生業は植木職人。川霧に包み込まれる渓谷の山で、その環境を活かして植木を栽培しています。さらにこの季節、同じ山でとれるのが野生のじねんじょ。秋から冬にかけて収穫し、出荷します。山の恵み、川の恵みに感謝して日々の生活を送ります。


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渓谷の中心部にある温泉街。この地域では地下から「黒湯」と呼ばれる色のついた地下水と天然ガスが湧いてきます。この黒湯を天然ガスで沸かし、観光客に足湯を提供しているのは四倉沖太郎さん。祖父の代につくられた井戸を使って黒湯とガスを集め、生活の至るところで活用していると言います。毎週末訪ねてくるお孫さんも、黒湯のお風呂に入るのが楽しみの一つ。恵みを受け継ぎ、繋いでいきます。


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恵みあふれる渓谷の里ですが、一方で近年、獣害に悩まされる農家が増えています。荒れた野山に鹿や猪、猿が住み着き、人家のそばにまで獣が出てくるようになりました。高齢化で炭焼きや農業をやめる人が増え、里の暮らしと自然のバランスが崩れてきているのです。せっかく作った作物を動物たちに荒らされる農家の人々は、獣害を防ぐために罠をかけるなどの対策をしています。「動物を仕留めることは本望ではない。動物が人里から遠ざかってくれれば」と話します。渓谷の暮らしを守るため、知恵をしぼり努力を続ける日々です。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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今世界的に注目される地層、「チバニアン」の基準地に程近い養老渓谷。歩けば目にするバウムクーヘンのような岩肌に、水滑る粟又の滝、都心から1時間半の場所に不思議な世界が広がります。渓谷にいざなうは小湊鉄道のディーゼルカー。ガタンコトンという音や揺れも、旅のゆったり感を演出してくれました。じねんじょ、うなぎ、地元の自然と必死に格闘する正木源康さんは、まさに養老渓谷に遊ぶ少年そのもの。紅葉の時にまた行こうっと!


 養老渓谷へのアクセス

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〈電車〉JR内房線「千葉」駅→「五井」駅で小湊鐵道に乗り換え→「養老渓谷」駅下車(約1時間40分)
→遊歩道入り口まで徒歩約15分。粟又の滝まではバスで約15分。

〈車〉
首都圏中央連絡自動車道「市原鶴舞」ICより車で約25分


問い合わせ先

▼養老渓谷について
大多喜町観光協会 0470-80-1146
市原市観光協会 養老渓谷駅前観光案内所 0436-96-0055

投稿時間:08:24


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