2017年09月03日 (日)

山の歌 夏 花立ち 燃ゆる ~伊吹山~

ibukiyamamain.jpg滋賀県と岐阜県の境にそびえ、琵琶湖を見おろす伊吹山。標高1300メートルほどの山ですが、さまざまな花が咲き誇る「花の山」でもあります。一度は荒れた花畑をよみがえらせ、手入れを続ける人々。患者さんを花で元気づけるために、足繁く通うお医者さん。夏の夜、山頂に現れるホタルの神秘の光を追い求める人。伊吹山が育んできた命は多くの人を魅了しています。山が最も華やぐ季節、その輝きに触れる旅に出ます。


今回の放送内容

ibuki1.jpg3合目にたどりつくと、花の咲く草原が広がります。ここでススキなどの雑草を刈っていたのは、森壽朗さん。森さんが子どもの頃は、このあたりは花でいっぱいだったと言います。しかし近年は、ススキやササに隠れて花が姿を消してしまっていました。かつての花畑を取り戻そうと手入れを始めたのは、26年前のこと。今では、クルマバナやカワラナデシコなど200種類もの花が姿を見せるようになりました。


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山頂一帯に広がるお花畑は、貴重な植物の群生地。国の天然記念物に指定されています。ここに足繁く通う畑野秀樹さんは、麓の町のお医者さんです。患者のほとんどは高齢者。寝たきりで天井ばかりを見て過ごす患者さんに、伊吹山で撮った花の写真を見てもらいたいのだと言います。かつて花見や山菜採りなどで親しんだ、ふるさとの山。その懐かしい風景を思い出してもらい、励ますためです。そんな畑野さんが一番好きだと話すのは、キンバイソウ。黄色に輝き、風にも負けず天に向かって咲くこの花に、大きなエネルギーをもらえるのだそうです。


ibuki3.jpgのサムネイル画像

夕暮れ時、登山者が山を下りる頃になって、山頂に上ってくる人がいました。ホタルを見に来たと言う千葉豊さん。午後10時頃、千葉さんに案内されお花畑に向かうと、あちらこちらにまたたく光が見えました。ヒメボタルという陸生のホタルで、短い間隔で強い光を放つのが特徴です。伊吹山の山頂は、風が強く雪も多いところ。こんな場所で命をつないできたホタルに、千葉さんは魅了され励まされると言います。山頂を覆う幻想的な光景です。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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1000メートルを越える山の頂にホタルがいると聞いて、半信半疑でした。水辺もない、岩と高山植物だけの、吹きさらしの山頂に??
ところが。夜の帳が下り、視界を遮っていた霧が晴れた束の間…出ました!チカ、チカ、…クリスマスツリーの電飾のように、鋭く強く輝く光があちこちに。ヒメボタルです。陸生のホタルで、山頂のお花畑にいるカタツムリを食べて育つんだそうです。見上げれば霧の間からのぞく星空、時々視界をすーっと過ぎるのは、流れ星かさまよい出たホタルか。天上の星と地上の星の、見事な競演でした。


伊吹山登山口へのアクセス

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<電車>
JR東海道本線「米原」駅→「近江長岡」駅(約10分)→近江鉄道バス「伊吹登山口」(約20分)

<車>
名神高速道路「米原」ICより約20分

※有料道路を使って9合目付近の駐車場まで行くこともできます。
名神高速道路「関ヶ原」IC→伊吹山ドライブウェイ「山頂駐車場」(約20分)


問い合わせ先

▼伊吹山の登山情報、アクセス、観光情報について
米原市役所商工観光課 0749-58-2227

投稿時間:08:24


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