2017年06月04日 (日)

瀬戸の桃源郷 青々と ~香川県 豊島~ 

tesimamain.jpg瀬戸内海に浮かぶ香川県の豊島。一度は産廃の不法投棄事件に傷つけられた島ですが、今では島の自然に溶け込んだアート作品が多くの観光客をひきつけています。見どころは瀬戸内海の大パノラマと棚田が織り成す絶景。豊島には豊富な湧き水があり、人々はそれを大切に利用しながら稲作を続けてきました。昔ながらの石窯でパンを焼き、自給自足の技術を学ぶ農民福音学校も。自然の恵みを得ながら暮らす豊島の人々を訪ねます。


 今回の放送内容

tesima.jpg観光客が島を巡るのによく利用するのが電動自転車。坂が多い豊島にぴったりです。風を感じながら楽しめるのは、のどかな農村の風景。中でも島一番の人気スポットは海が見渡せる一本道です。自転車で下ると瀬戸内の大パノラマが目に飛び込んできます。周りには菜の花も咲き誇り、黄色と青のコントラストが訪れる人を癒やします。


tesima2.jpg海に続く斜面には棚田が広がっています。豊島には豊富に湧き水があるため、離島でありながら稲作が盛んに行われてきました。代々続く農家、曽我三喜夫さんはおばから引き継いだ田んぼを耕しています。田植え前に欠かせないのは水を漏らさないようにあぜをしっかり作る作業です。また農業の担い手が減る中、棚田は島外の人の力も借りながら守られています。レンゲの花は土に混ぜることで天然の肥料になります。


tesima3.jpg豊島には自給自足の暮らしが息づいています。藤崎光子さんは山の上で家畜を飼い、その堆肥で斜面の下に植えられた果物や野菜を育てる生活を続けてきました。光子さんの義理の父、盛一さんが農家に生活を豊かにする技術を教える「豊島農民福音学校」を開いたのがきっかけです。光子さんは今でも妹たちと石窯で食パンを焼き、当時の暮らしの豊かさを伝え続けています。


旅人・山本哲也アナウンサーより

tesimayamamoto.pngのサムネイル画像

海にむかって自転車で坂道を下る爽快感、渡る風の心地よさ、まさに海の青にあふれた豊かな島でした。若い人たちのとってはアートの島、しかし私たちの世代には産廃問題に揺れた島というイメージが強く、実はなんとしても足を運びたいと思っていた島でした。入って見てびっくり!これほど水に恵まれ、棚田で稲作をしているとは思ってもみませんでした。民泊宿で出たソーメンのうまさが舌に残ります。「この42年、私たちは日々の暮らしを続けながら産廃問題と闘ってきたんですよ。」というご主人。おだやかな表情の中に、あらためて豊島の歩みと島の人たちの辛抱強さ、たくましさに触れた気がしました。すべての産廃の撤去が終わり、新たな船出の豊島です。


豊島へのアクセス

tesimamap.png

〈船〉

高松港(香川県)より豊島行きの高速艇→家浦港または唐櫃港で下船(約35分)

宇野港(岡山県)より豊島行きのフェリーまたは高速艇→家浦港または唐櫃港で下船(フェリーの場合、家浦港まで40分、唐櫃港まで60分。高速艇の場合、家浦港まで25分、唐櫃港まで40分)

その他、小豆島、直島、犬島からそれぞれ船が出ています。


問い合わせ先

▼豊島の観光について
 豊島観光協会 0879-68-3135(火曜定休)

 

投稿時間:08:24


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