2016年11月13日 (日)

山の歌 秋 心磨く古道 ~奈良県 大峰山~

oominemain.jpg

奈良県南部、標高1719メートルの大峰山・山上ヶ岳は、1300年前の開山以来、修験道の聖地として知られ、今も女人禁制を守っています。初夏から秋までの期間、全国から“講”と言われる行者たちが修行のために山に登ります。年に一度、登山を通し、仲間との絆を再確認する講のメンバー、そして古くから続けられてきた大人になるための通過儀礼に挑む地元の子供たち。山閉めを前に、参拝を続けてきた人々の営みを見つめます。


今回の放送内容

oomine1.jpg

修験道はじまりの場所とされている大峰山。1300年前の開山以来、多くの参拝者たちが訪れ、自分自身を見つめる心のよりどころとなってきました。山の入口にあるのは女人結界です。ここから先は男だけが入ることができる修行の場とされていて、今も山全体(山上ヶ岳)が女人禁制となっています。入り口では登山を前に、真言を唱える“講”の人たちや、母親と別れ、これから修行に挑む地元の男の子たちに出会いました。


oomine2.jpg頂上までに待ち受ける、厳しい修行場。最大の難関とされているのが「西の覗(のぞき)」です。200メートルの断崖絶壁に身を乗り出して、日頃の行いを反省することで、自分の心と向き合います。この難関に挑むのは麓の洞川集落の男の子たち。小学生になる頃、父や地域の大人と共に山を登り、大人への第一歩を踏み出すのが伝統です。怖さを乗り越えようとする子どもたち、その姿を地域の大人たちが優しく見守ります。


oomine3.jpgのサムネイル画像

大峰山で修行が行われるのは5月から9月の間まで。秋、頂上の大峯山寺に、とりわけ長い歴史をもつ“講”や寺の関係者、そして地元の人たちが集まります。山を閉める儀式“戸閉式”を行うためです。山を開ける時と閉める時の年に2度、大峰山を開いたとされる役行者像に近づくことが許されます。般若心経をあげながら、1年間、参拝を続けさせてくれた山に感謝し祈る人々。また今年も、山は修行の季節の終わりを迎えました。


旅人・山本哲也アナウンサーより

oomineyamamoto.jpgのサムネイル画像これまで経験したことのない旅となりました。何といっても衝撃は「西の覗」。200メートルの断崖絶壁を上から縄ひとつで身を預けて覗き込むという荒行。あの体全体、気持ちもすうっと山の中に吸い込まれていく、自分の中の何かが落ちていくような感覚。驚いたことに、この行を地元の子どもたちは小学校に上がる前後に体験します。周りで心配しながらも手助けしながら世話をする大人たち。脈々と続くこの行に、地元での世代を超えた強いつながり、絆を感じ、無心に挑む子どもたちに胸を打たれました。女人禁制とは言いますが、それは女性、母親への思いやりから来ているものと感じることもできました。


大峰山(山上ヶ岳)へのアクセス

oominemap.png

〈電車〉
近鉄吉野線「下市口」駅→奈良交通バス「洞川温泉」行き終点で下車(約70分)
バス停から登山道入り口まで約4km

〈車〉
大阪市内から:南阪奈道路「葛城」IC→高田バイパス→国道169号線
奈良市内から:京奈和自動車道→橿原バイパス→国道169号線
名古屋市内から:名阪国道「針」IC→国道370号線→国道169号線

以降、国道169号線→国道309号線→洞川温泉→県道21号線→登山口(清浄大橋) 

※大峰山(山上ヶ岳)の山修行の時期は、5月初旬~9月下旬です。上記以外の時期は、山小屋や宿坊、頂上の大峯山寺など関連施設は休業しています。
※入山の際は必ず、登山届を提出してください。


 問い合わせ先

▼大峰山を含む洞川温泉の観光全般について
大峯山洞川温泉観光協会 0747-64-0333

投稿時間:08:24


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

 

カレンダー

2020年03月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

バックナンバー


RSS

page top