2016年11月06日 (日)

清き玉 湧きいずる ~群馬県 赤城山麓~

akagimain.jpg群馬県の赤城山周辺では湧き水が至るところにあり、今も昔も人々に恩恵をもたらしています。玄関先に湧水地がある家では、天然の水と共に日常生活を送っています。老舗の酒蔵では赤城の水と米、技にこだわり酒を造ります。田畑に実りをもたらす湧き水の利用にはある工夫も。次世代のために、水を育む100年単位の森作りの活動も行われます。その成果を農業で体感する親子連れも。上州に「水の恵み」のある暮らしを訪ねる旅です。


今回の放送内容

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赤城山の麓に向かい広がる山の裾野、標高200~500メートル一帯では、あちこちに泉が湧き出しています。数十年前に降った雨が火山岩に浸透した伏流水です。地中の空気とともに湧き出てくるこの泉を、土地の人たちは「湧玉(わくたま)」と呼び、親しんできました。湧玉の水は、室町時代に建設された専用水路に引きこまれ、涸れることなく、今も山麓の田畑を潤しています。


akagi2.jpg麓の集落に暮らす夫婦、永井茂さんと百合子さん。家の目の前にある「湧玉」は、集落の人たちが共同で使う水場です。お茶やコーヒー、飲料水はもちろん、野菜を洗うのも、植木の水やりも湧玉の水。自宅の水道を使うことはほとんどありません。永井さんの家の裏には、石器時代から平安時代にかけての集落の遺跡が残されています。悠久の時を越え、湧玉が人々の暮らしを支えています。


akagi3.jpg山麓一帯で最大の湧玉、木曾三社神社の水を使い、江戸時代に創業した老舗酒蔵。今も神社の水源から水をくみ上げ、酒造りをおこなっています。赤城の伏流水は「軟水」。穏やかに発酵し、柔らかい女性的な味のする酒ができあがるといいます。蔵の7代目、今井健介さんは、経営を息子に譲り、いま、自ら杜氏として、酒造りの先頭に立っています。赤城の恵みを感じながら、ふるさとの米、水の魅力を引き出すため、日々、酒造りと向き合います。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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「湧玉(わくたま)」。赤城山麓では、ふつふつと湧き出る泉をこう呼びます。きれいな呼び名ですね。その「湧玉」の一つを、木曽三社神社に訪ねると…本殿は道路からはるか下。何十もの石段を下った先の境内は緑に包まれ、まるで「もののけ姫」の世界。そして奥まったところにありました、美しい泉が。水底からまあるく湧き出る水は小さな滝となってしぶきをあげ、せせらぎとなって境内を走り出て行きます。人々の喉をうるおし、稲を育て、おいしいお酒を醸す「湧玉」。「赤城おろし」の風の里は、豊かな湧水の里でもありました。


赤城山麓の湧水地付近へのアクセス

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〈電車〉
JR吾妻線・上越線「高崎」駅→「渋川」駅(約25分)→バス(15~30分)

〈車〉
関越自動車道「渋川・伊香保」ICから10分


問い合わせ先

▼木曾三社神社境内の湧玉について
木曾三社神社 0279-52-3489  
 
▼渋川市北橘町の観光その他について
渋川市北橘町行政センター 0279-52-2111 

▼瀧沢石器時代遺跡・永井さん宅前の湧玉について
渋川市教育委員会文化財保護課  0279-52-2102                 

▼農業体験について
群馬県農政部農村整備課中山間振興係 027-226-3152 

 

 

投稿時間:08:24


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