2016年10月09日 (日)

山の恵み この手に宿りて ~福島県 三島町~

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福島県大沼郡三島町。縄文時代の遺跡が発掘され、植物を編んだカゴなどが出土しています。今も人々は山に自生する植物を巧みに生かしてカゴなどの工芸品を作っています。その工芸品は「奥会津編み組細工」と呼ばれ、人気を集めています。一方、山は「木こり」不足などにより荒廃が進んでいます。山の恵みに感謝しつつカゴを作る職人、木こりを増やして豊かな山を取り戻そうとする人など、山と生きる人々の思いを訪ねます。


今回の放送内容

mishima1.jpg三島町間方(まがた)地区は奥会津の山々に抱かれた集落です。一見、不便な場所のようですが、山には籠などの材料となるヤマブドウやヒロロ(ミヤマカンスゲ)といった草木が豊富です。職人たちは自ら山で材料を採り、籠やバッグを編みます。この技は、雪深い地域で山仕事に使う道具を作るために受け継がれてきたものです。町で作られる工芸品は「奥会津編み組細工」として国の伝統工芸品に指定されています。


mishima2.jpg菅家藤一さん(写真・右 63歳)は「奥会津編み組細工」の名人と言われています。母・アイ子さん(83歳)は若い頃に夫を亡くし、3人の子どもを育てました。「山菜やキノコを子どもに食べさせた。山のおかげで子どもが育った」と山への感謝を忘れたことはありません。今も、誰もが捨ててしまうようなヤマブドウの一番外側の皮を細く裂き、丁寧にないます。ひいおじいさんから聞いた「てんぐ」の話も聞かせてくれました。


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藤一さんは孫・諒南(りょうな)さんを山に連れていきました。そこで諒南さんは、とちの実拾いを初めて経験します。古来、雪深いこの地区では、とちの実は冬を生き延びるために欠かすことのできない保存食でした。今でも人々は、とちの実を集め、天日で乾かし、蓄えます。諒南さんは、樹齢数百年のとちの大木に触れたり、とちの実拾いを経験することを通じ、自分たちが自然の恵みによって生かされていることを実感します。


旅人・山田敦子アナウンサーより

mishima-yamada.jpg山で、「手の業」で生きる親子に出会いました。息子の藤一さんの手は肉厚で大きい。自然を相手に取っ組んできた力強い手。母のアイ子さんは、柔らかくちょっと赤みを帯びた掌。荒い自然も丁寧に丁寧に包み込んできた温かな手。どちらも、山仕事を知らない私の手とはまるで違う、歳月に鍛えられた働き者の手。赤ちゃんの時は同じだったに違いないのに。2人の手に負けないようなものを、私は何か持つことができているだろうか。そう考えながら山を降りました。


三島町へのアクセス

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〈電車〉

東北新幹線「郡山」駅→JR磐越西線「会津若松」駅(約65分)→JR只見線「会津宮下」駅(約90分)

〈車〉

東北自動車道「郡山」JCT→磐越自動車道「会津坂下」IC下車(約45分)→国道252号で三島町へ(約20分)


問い合わせ先

▼「奥会津編み組細工」について
三島町生活工芸館 0241-48-5502

▼三島町の観光全般について
三島町役場(地域政策課) 0241-48-5533

投稿時間:08:24


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