2016年09月25日 (日)

闘牛の里 強くやさしく ~岩手県 久慈市~

kujimain.jpg岩手県久慈市の山あいにある山形町は、古くから牛の飼育や生産が盛んな地域です。東北で唯一、闘牛が育てられ、角を激しく突き合わせる闘牛大会が毎年夏に開かれています。“横綱”の牛を大切に育ててきた家族や、牛をあやつり、大会を盛り上げる男たちなど、地域の人々の輪が生まれます。しかし、なぜか、この地区の「闘牛」は引き分けで終わらせるのがルール。牛と寄り添う文化を大切にする人々を訪ねます。


今回の放送内容

kuji1.jpg岩手県久慈市山形町で江戸時代から始まったとされる闘牛。かつて、人々の生活になくてはならない塩を沿岸から内陸へと運ぶ際に牛が利用され、その隊列の先頭を決めるために牛同士を闘わせました。生活に欠かせない牛たちを傷つけたくないという思いから、この地では勝負を決めない引き分けの闘牛文化が根づいています。今でも、地区でおよそ20頭の闘牛が育てられ、年に3回闘牛大会が開かれます。


kuji2.jpg引き分けの闘牛に欠かせないのが『勢子(せこ)』と呼ばれる人たちです。闘う牛を綱一本で操り、牛の見せ場を演出しながらも、怪我を負わせず引き分けに采配する、重要な役割を担っています。地元では勢子の高齢化が進み、若手の力が期待されています。今年初めて、闘う牛の手綱を引くことになった小深田さん。勢子として役目を務めあげたいと、先輩勢子の牛舎へと出向き、牛を操る技術を学んでいます。


kuji3.jpg大会が近付くと山形町は闘牛ムード一色となります。下舘さんが闘牛を飼う牛舎には、長男の拓朗くんの友達が訪れ、それぞれお気に入りの牛に餌をあげるなどしてエールを送ります。また公民館では、町一番のお祭りである闘牛大会を盛り上げようと、子供たちが太鼓の練習に励み、闘牛の迫力に負けない演奏を目指します。闘牛は地域の子供たちにとって大切な存在なのです。


旅人・山田敦子アナウンサーより

kuji-yamada.jpg緑豊かな山形地区。「闘牛用の牛」が、飼い主の下館さんに連れられて道を散歩していました。その名も「黒若銀次」。大きな肩、大きな頭。角。迫力です。「大人しいから触ってごらん」と下館さん。おそるおそる手を伸ばすとつやつやの毛並みの下に固い筋肉の盛り上がり。でも眼は穏やか。山形の闘牛は昔から対戦相手を傷つけない「引き分けの闘牛」。強くて優しくなければ、横綱にはなれないと聞きました。細やかな世話がそんな牛を育てます。「銀次」を見る下館さんの目、愛情深く、注意深い眼差しでした。


久慈市 山形町へのアクセス

kiujimap.png

〈電車〉
JR八戸線・三陸鉄道北リアス線「久慈」駅→JRバス「白樺号」盛岡駅行き→「陸中山形」(山形町の中心)まで約30分、「平庭高原」(闘牛場近く)まで約40分

〈車〉
東北自動車道「九戸」ICより約1時間10分

 


問い合わせ先

▼闘牛大会について
久慈市役所山形総合支所 産業建設課 0194-72-2111

 

投稿時間:08:24


カテゴリー

新着記事

ブログ内検索

 

カレンダー

2020年03月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

バックナンバー


RSS

page top