2016年09月22日 (木)

曲がりの川 きらめく ~愛媛県 肱川~


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愛媛県の南西部を103キロに渡って流れる肱川(ひじかわ)。肘を曲げたように蛇行している姿からその名が付いたとも言われています。中流の大洲市では、古くから川に人が集い、川の恵みを受けて暮らしが営まれてきました。江戸時代から続く、河原で芋煮鍋を囲む「いもたき」。ふるさとに活気を取り戻したいと、伝統の鵜飼いの世界に飛び込んだ若い鵜匠。晩夏から初秋にかけて、川に集い川とともに生きる人々に出会う旅です。

 


今回の放送内容

oozu1.jpg清流・肱川では古くからあゆ漁が行われてきました。天然のあゆに加え、毎年約32万匹の稚魚が放流され、水中にきらめくアユを求めて全国からも愛好家が集まります。地元の人々の多くは、半円形の網を投げる「投げ網漁」を行います。川の曲がりにできる瀬に育つ、新鮮なこけを求めてやってくる鮎を、石を投げて驚かせ網に追い込みます。曲がりの川とともに暮らす漁師たちの知恵が息づいています。


oozu2.jpg“暴れ川”の顔も持つ肱川。大雨や台風で氾濫を繰り返してきました。しかしそのたびに肥沃な土砂がもたらされ、流域では畑作が盛んに行われています。「中でも自慢は独自の粘りと甘さのある里芋」と話すのは、農家の竹岡宏晃さん。そんな竹岡さんのお宅では、近所の人を招き庭先で芋煮鍋を囲む、「いもたき」が毎年行われています。川の恵みを受けた作物の収穫の喜びを分かちあい、互いの親睦を深め合います。


oozu3.jpg夜、夏の肱川を照らすのは、約60年続く伝統の鵜飼いの炎。山中惇耶(じゅんや)さんは、24歳の若き鵜匠として、2年の修行を経て今年6月から川に出ています。元々は地元大洲市で美容師として働いていた山中さん。多くの友人が地元を離れていく中、鵜飼いで人を呼び込み、ふるさとに活気を生み出せないかとこの仕事を始めました。デビューから3ヶ月、苦労は絶えませんが、川に向かう日々に確かな手応えを感じています。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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まあ、ここまで曲がるかというほどの肱川、F1レースで言えばヘアピンの連続、真っ直ぐなところは見当たりません。しかし、その恵みたるや驚くばかり。肱川では一回投げ網をするだけで多い時にはアユがなんと100匹捕れるんだそうです。またここで採れる里芋はねばりと甘さが格別でした。いただいた竹岡家の芋煮の味付けも良かったのでしょうね。新人鵜匠の山中さんはなかなかのイケメン、大洲に来る観光客が増えるのではと期待が膨らみます。出会った大洲の人たちの温かさが、猛暑を忘れさせてくれたような気がします。


大洲市へのアクセス

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〈電車〉
JR予讃線「松山」駅→「伊予大洲」駅下車

〈車〉
松山自動車道「大洲」IC下車


問い合わせ先

▼いもたき・鵜飼いについて
大洲市観光協会 0893-24-2664
※鵜飼いの開催は6月1日~9月20日です。

▼あゆ漁・あゆ釣りについて
肱川漁業協同組合 0893-24-2410
※肱川での漁獲には、遊漁券が必要です。詳しくはお問い合わせください。

 

 

投稿時間:09:59


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