2016年07月24日 (日)

海風の町で とこしえに ~愛媛県 愛南町~

ainan-main.jpg入り組んだリアス式海岸に美しいサンゴの海が広がる愛媛県愛南町(あいなんちょう)。900種ほどの魚が生きる豊かな海がある一方、山がちの大地に、遮るもののない季節風が吹きつける厳しい土地です。しかしそのために、先人の暮らしの知恵が今も息づいています。防風のために家の周囲に石を積み上げた石垣の里。エサもなしに鉄かごだけで魚を捕る伝統漁法。厳しくも豊かな自然とともに、たくましく生きる人たちと出会います。

 


今回の放送内容

ainan1.jpg青い海を望む、急な山の斜面にある外泊地区(そとどまり)。40世帯ほどが暮らす集落の家々は、城と見まごう石垣に囲まれています。高い石垣に挟まれた道を歩くとまるで迷路。江戸末期に集団移住した人々が岩だらけの山を切り開き、強い季節風を防ぐため10年以上かけて作りました。両手で持てるほどの石がひとつひとつ積まれた様子からは、強風にも屈せずこの地に根ざそうとした人々の覚悟が伝わってきます。この集落では子孫たちによって石垣の風景が大切に守られています。


ainan2.jpg目の前の青い海に潜るとそこは魚たちの楽園。その豊かさをいかした伝統の漁が、鉄製のかごを海に沈め魚を捕る「愛かご漁」です。「お魚との知恵比べや」と笑うのはこの漁を続けて35年の清家勝さん。スギの葉で中を暗くして巣と勘違いさせるのが秘けつだそう。いざ漁場へ。海に潜り、かごを押して魚の集まる場所に運ぶ清家さん。潮に逆らい岩の山を越える奮闘は時に十数分におよびます。2週間後、かごにはエサもないのに数十匹の魚の姿が。苦労の末に得る海の恵み。愛南の海と生きる漁師70歳、喜びの瞬間です。


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外泊では、出会う人出会う人、みんな吉田さん。江戸末期に集落を興した人々の末裔が変わらず暮らしています。吉田清一さんもその一人。民宿を営むかたわら、崩れた石垣を直しています。150年近い年月を経て傷んだ石垣を、一度崩して積み直す。その過程で先人の知恵を学び、独学で積み方の技を磨いてきました。高齢化が進むこの集落で石垣を直せるのは吉田さんひとり。その家の入り口には母親が遺したひとつの句が刻まれています。「石垣は 人のまことの つみかさね」。吉田さんは石垣を積み続けます。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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潜水の漁はいくつか見聞きしましたが、地元に伝わる「愛かご漁」にはびっくりしました。巨大な「かご」を海にドボンと投入。自分も潜り、海の底を押して行くのです。仕掛けるのによい場所を探して海底の大岩を登り、迂回し、潮に逆らい…重労働です。「海はいい」と70歳の愛かご漁師、清家さんは笑います。「嫌なことがあっても海の中で叫べばすっとするんじゃ」。かごを上げればイシダイにグレ、カワハギにタコにエビ…実に様々な海の幸が跳ねています。「生きてる限り海に入りたい。百まで生きるつもりじゃあ」。海はエネルギーの源、なんですね。いつまでもお元気で!!


愛南町へのアクセス

ainanmap.png

〈電車〉JR予讃線「宇和島」駅から宇和島バス「城辺・宿毛方面」行き(約1時間)

〈車〉松山自動車道「松山」ICから宇和島道路「津島岩松」ICを出て国道56号線を愛南町方向へ(約2時間30分)


問い合わせ先

▼石垣の集落について
 外泊「だんだん館」 0895-82-0311

▼愛かご漁について
 愛南漁協 御荘支所 0895-74-0101

 

 

 

 

投稿時間:08:24


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