2016年07月17日 (日)

夏の恵み 連綿と ~兵庫県 室津漁港~

tatsuno-main.jpg兵庫県西部、たつの市室津漁港。瀬戸内海の小さな漁師町です。夏の味はアナゴ。この時期、軒先で炭焼きされるアナゴは待ち焦がれた故郷の味です。香ばしい匂いに誘われ子どもが駆け寄り、ご近所さんの輪ができます。また室津の新米漁師はアナゴ漁を通じて海を知り、技を磨きます。アナゴの炭焼きに刻まれた家族の思い出、父の背中を追い漁に出る若者。人々とアナゴの深い結びつきを見つめました。


今回の放送内容

tatsuno1.jpg室津の漁師たちは梅雨を迎えるとアナゴ漁に挑みます。産卵を前に栄養を蓄えるアナゴは脂がのって美味。アナゴが食欲旺盛になるのにあわせて、海の底に専用のかごの仕掛けを沈める漁です。4代に渡る漁師の髙木恒さんと里騎さん親子は毎日漁に出ます。アナゴ獲りの名手である父の背中を追い、里騎さんは自分の力だけでアナゴを獲ろうと意気込みます。この時期の室津には、アナゴ漁を通して成長する若手漁師の姿があります。


tatsuno2.jpg室津のアナゴの定番の食べ方は、炭火で香ばしく焼き上げる「アナゴの炭火焼」。夏になると民家の軒先に七輪を並べて、アナゴを焼く住民の姿を目にします。味付けは、醤油や酒、砂糖を使ったシンプルなタレです。家庭それぞれでタレの味は少しずつ違っていて、室津の人々にとってアナゴの炭火焼きは故郷の味の代表です。


tatsuno3.jpg室津の食文化は女性が支えます。夏になると、室津の女性はアナゴを捌き、食卓に並べます。漁師の夫を持ち3人の子の母である大川香里さんは、家族のためにアナゴ料理を用意します。作るのは、アナゴの炭焼きや、伝統のアナゴときゅうりを使った巻き寿司「穴きゅう」、アナゴの天ぷらなどさまざま。室津では土用のウナギならぬ「土用のアナゴ」。子ども達に精をつけてもらおうと、この時期ならではの母の味を作ります。


旅人・山田敦子アナウンサーより

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関東の出身なので、これほど「アナゴ」がくらしに定着しているとは知りませんでした。室津の路地を歩くと香ばしい匂いが漂ってきます。個人のお宅が七輪を出し、炭火でアナゴを焼いているのです。タレはちょっと甘めが室津流。家庭ごとに味が違い、秘伝のタレがあるそうです。実はアナゴはちょっと苦手でした。あの弾力のある皮が…。でも、とびきりの笑顔で焼きたてをすすめられ、思い切ってパクッといくと…あら不思議。皮はあくまでパリパリで、香ばしさだけが口に残ります。ごちそうさまでした。旬の味、アナゴ再発見の旅でした。


室津漁港へのアクセス

tatsuno-map.png

JR山陽本線・山陽電鉄「網干」駅から神姫バス「室津」下車(約30分)


問い合わせ先

▼アナゴについて
室津漁協 079-324-0231

▼室津の町について
たつの市観光協会 御津支部 079-322-1004

 

 

 

 

投稿時間:08:24


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