2016年06月19日 (日)

西海に祝福ありて ~長崎県 五島列島~

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大小140の島々が連なる長崎県の五島列島。江戸時代、禁教令が出る中で、キリスト教の信者が移り住み、苦難を乗り越えて信仰を守り続けた「祈りの島」です。五島列島には今もおよそ50の教会があり、人々の手によって大切に守られています。二番目の規模を誇る中通島には、キリスト教徒による漁船団「十字船団」があり、船室に飾られたマリア像に見守られながら、1か月に及ぶ漁に出ています。


今回の放送内容

gotou1.jpg8世帯、15人が暮らす頭ヶ島地区に、住民たちの手で大切に守られている教会があります。国の重要文化財にも指定されている、頭ヶ島天主堂です。荘厳な石造りの教会は、100年前、地区の人たちが自ら石を切り出し、力を合わせて建てました。住民のひとり、松井義喜さんは、先祖たちが残してくれた教会を2時間かけて掃き清めます。さらに祭壇には、松井さんたちが自宅の庭で育てた色とりどりの花が。花が少なくなる季節も欠かすことなく、住民たちが“地域の宝”を飾っています。


gotou2.jpg五島は、江戸時代に移り住んだキリスト教徒が迫害や拷問に耐えながら、ひそかに信仰を守り継いだ場所です。今も、家庭にはその頃の食文化が残っています。「ふくれまんじゅう」というお菓子です。かつて、信仰を隠すためパンの代わりに食べられていたとされ、今もカトリックの祭日や家庭のお祝い事など特別な日に作られ、食されています。桐地区に暮らす江口清子さんは、苦難の歴史を忘れぬよう、長女と一緒に、ふくれまんじゅうを作り続けています。信仰と共に、世代を超えて受け継がれる島の味です。


gotou3.jpg中通島の南部、浜串漁港を本拠地にする巻き網船団。かつて船員のほとんどがカトリックだったというこの船団は、「十字船団」とも呼ばれています。船長の平瀬輝昭さんは、操舵室や寝室にマリア像を置き、毎日、航海安全と大漁への感謝を祈ります。島にいられるわずかな時間は、家族と共に家の前の浜で。父は元船員、弟も同じ船に乗る漁師の一家です。夕食前には母も一緒に祈りを唱え、つかの間の家族だんらんを楽しみます。「たくさん魚をとって、必ず元気で帰ってくる」。平瀬さんは、また次の漁に向かいます。


旅人・山本哲也アナウンサーより

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山が海に切り込んでいる、そんな風景のあちこちにある教会に見惚れるばかり。ひとつひとつの教会に物語あり、教会の立つひとつひとつの入り江に暮らしあり、日常と信仰の近さを肌で感じました。西海国立公園に浮かぶ 五島列島だけあって、絵になる、心洗われるような空 間。またアゴだしの細めん、五島うどんの味もやさしく温かく沁みました。帰りの高速船で思わず何度も何度も振り返ってしまう、心に残る旅でした。


五島列島 中通島へのアクセス

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〈高速船〉
九州商船・ジェットフォイル「長崎」港→「奈良尾」港(約1時間15分)
五島産業汽船・高速船「長崎」港→「鯛ノ浦」港(約1時間40分)

〈フェリー〉

九州商船・フェリー「長崎」港→「奈良尾」港(約2時間40分)

 


問い合わせ先

▼教会の見学について
長崎の教会群インフォメーションセンター 095-823-7650

▼その他・島の観光について
新上五島町観光物産協会 0959-42-0964
  

投稿時間:08:24


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