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日本の外交 ここに注目!!

2017年9月29日(金)

緊迫化する北朝鮮情勢 拉致問題は?

松岡
「今日(29日)のテーマは、こちら。
『緊迫化する北朝鮮情勢 拉致問題は?』。
アメリカと北朝鮮の間で激しい言葉の応酬が続き、緊張が高まっていますね。」

岩田明子解説委員
「先週、ニューヨークで開かれた国連総会でも北朝鮮問題が大半を占めましたが、トランプ大統領が演説の中で、拉致問題について触れたことが話題となりました。
今日はこの拉致問題の行方を展望したいと思います。」

松岡
「トランプ大統領は、国連総会で『北朝鮮は工作員の日本語教師として強制的に働かせるために、13歳の日本人の女の子を拉致したことをわれわれは知っている』と述べました。
これは拉致被害者の横田めぐみさんを念頭に発言したものですね。」

岩田解説委員
「そうなんです。

実は、安倍総理大臣は、2月にフロリダで行われた首脳会談で、めぐみさんについて、詳しく説明していました。

このため、安倍総理大臣は、トランプ大統領が演説で拉致問題を取り上げたことに対し、この後、行われた昼食会で謝意を伝え、『めぐみさんが拉致されてから40年間、未解決のままだ』と訴えました。
その上で安倍総理大臣は、11月の大統領訪日に際して、『ぜひ拉致被害者の家族と会ってほしい』と要請したんです。
トランプ大統領は大きくうなずき、『真剣に検討しよう』と応じたということなんです。

昼食会で安倍総理大臣は、トランプ大統領の隣の席に座ったんですけれども、これはトランプ大統領が、昼食会を主催したグテーレス国連事務総長に事前に『シンゾウを隣の席にしなければ自分は出席しない』と依頼したためだったんです。」

松岡
「この席では、北朝鮮の核やミサイルの開発をめぐる問題については、どのようなやりとりがあったのでしょうか?」

岩田解説委員
「トランプ大統領はこの席上、安倍総理大臣に『北朝鮮の発する言葉は尋常ではない。尋常ではない相手だから、厳しい言葉を使った』と、国連演説の意図を説明しました。
これに対して、安倍総理大臣が『ドナルドの、すべてのオプションがあり得るという強いメッセージが、中国やロシアを協力的にし、安保理決議が採択された』と述べると、トランプ大統領は『シンゾウは偉大な総理大臣だ』とトランプ流に応じたそうなんです。」

松岡
「さて国連安保理では、北朝鮮に対し、新たな制裁決議が採択されましたが、これを受けて、日本は北朝鮮とどう向き合おうとしているんでしょうか?」

岩田解説委員
「日本政府は、国際社会が結束して圧力をかけ、制裁の抜け穴を作らぬよう、結束を維持することが重要で、同時に北朝鮮から対話を求めさせる環境を水面下で作るべきだと考えているんです。
ただ、対話に入る環境作りがアメリカ主導だと、拉致問題が置き去りにされる懸念もあります。
このため日本政府は今回、トランプ大統領が国連総会の演説で拉致問題に触れたことは、北朝鮮との対話に入った際、拉致問題もテーブルに乗せるための布石になったとみているんです。」

松岡
「北朝鮮から対話を求めてくるようにするのは、なかなかハードルが高そうにも思えますが?」

岩田解説委員
「そうですね。
日本政府としては、日米を軸に国際社会がぎりぎりまで圧力をかけた上で北朝鮮との対話に移る転換点を見誤らないようにしなければならないと見ているんです。」

松岡
「こうした中で、拉致問題の進展は期待できそうですか?」

岩田解説委員
「あまり知られていませんが、注目される動きがありました。
去年(2016年)9月、アメリカの議会下院が2004年に中国で消息を絶ったアメリカ人男性について、『北朝鮮に拉致された可能性がある』として、国務省などに対して、日本などと連携して調査するよう求める決議を採択したんです。
採択に向けては、日本側が働きかけを行いました。
この決議採択は、アメリカが初めて拉致問題の当事者になり、拉致問題が日米共通の重要課題になったといえると思います。」

松岡
「拉致問題も引き続き注目していく必要がありそうですね。」

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