前のページへ戻る

参考資料:『トロッコ』 芥川龍之介

芥川龍之介について

1892年(明治25年)東京に生まれ、生後まもなく母方の実家、芥川家に引き取られる。1913年、東京帝国大学英文科に入学。1916年に発表した『鼻』が夏目漱石に賞賛されたのをきっかけに次々に作品を発表し、作家としての地位を築く。端正で格調高い文章や、人間のエゴや世間の不条理を見つめる冷めた視点で多くの読者を惹きつけてきた。代表作に『羅生門』『地獄変』『藪の中』など。『蜘蛛の糸』『杜子春』など児童向けの作品も知られている。1927年、35歳で薬を飲んで自殺。

『トロッコ』について

芥川龍之介と親しかった、力石平蔵という湯河原出身の青年の少年時代の思い出話を元に、芥川が一晩で書き上げたという作品。この青年は、雑誌社で校正の仕事をしていた。

この作品のタイトルになったトロッコは、鉄道工事などの現場で使われた箱型の貨車。明治時代の半ば、湯河原には、小田原と熱海を結ぶ鉄道が通っており、当初は人が手で押す人車鉄道というものだったが、明治40年、蒸気機関車が走る軽便鉄道に切り替わった。そのときの工事が、この小説の背景になっている。