にっぽん縦断 こころ旅
新装開店の自転車量販店でスタイリッシュなミニベロを衝動買いしたことをきっかけに、私の自転車生活が始まりました。
三か月後、60まじかのおばさんが、同じ量販店のイケメンのお兄さんの「大丈夫ですよ。」にのせられてロードバイクを購入。
何とか乗れたものの、筋力低下、心肺機能低下のおばさんは、休み休み走ってせいぜい30キロが限界。
そんな私が「ツール・ド・ラフランス」というイベントに 何を血迷ったのか、申し込んでしまったのです。
11月の本番に向け何回か試走しましたが、途中挫折。完走など夢のまた夢。
その日は前日から冷たい雨が降り、気温5度。
程なく、くつ下も、パンツも、髪もビショビショ。フルーツラインのアップダウンは激しく、やっと上りきったところで
「稲刈りを終え、雪を待つ上山盆地の田んぼの風景」が目に飛び込んできました。
しかし、これはまだ悪夢の序章にすぎなかったのです。その後、峠まで上る、里に降りるを三度繰り返します。
もう、涙と雨粒とヨダレと鼻水で無残。
こんな私がなんとか60キロを完走できたのは、
若い筋肉むきむきのお兄さんたちが、「もう少しで折り返しだ、もう少しで休憩所だ」と何人も何人も声をかけてくれたからだ と思います。
ちなみに600人近くのイベントでしたが、私は最後から3番目でゴールしたようです。なぜなら、私の後ろに小学生とそのお父さんがいたからです。
その後、私は年に何回か自転車で出かけ、
「フルーツラインから見える上山盆地の田園風景」を余裕を持って眺めています。
ぜひ 正平さんたちにも見ていただきたいこころの風景です。
どうか 今後も ご安全に。
山形市 小林 裕子(ゆうこ) 61歳
山形市
小林裕子さん(61歳)からのお手紙