にっぽん縦断 こころ旅
けやきの森となかよしの像
小学校を卒業して47年にもなりますが、故郷というと思い出すのが卒業した母校、新庄市立北辰小学校の象徴であったけやきの森です。6年生の時、そのけやきの森に担任の先生の発案で、卒業記念として像を作ることになりました。
2人が腕を重ねて立っている像を、木材と針金で作った型の上から石膏を塗りたくり、何日もかかって皆で作りました。
その際、友達の誰かが「おっぱい つけちゃえ」と言って、2人並んだ大きい方の像におっぱいをつけました。そしてそのままなかよしの像と名前がつけられて出来上がり、卒業記念として作文をタイムカプセルとして像の下に埋め込み、けやきの森の片隅におかれたのでした。
20年ほどして皆で集まり、タイムカプセルを掘り起こした時、壊して掘り起こすはずだった像は、幸いにもそのまま残りました。その後しばらくして甥っ子が入学し、その小学校の文集を読んだところ、なかよしの像はどうして大きい方が女の人なんだろうと書いているのを読んで、思わず笑ってしまいました。理由なんてなく、たまたま作った時の、友達のいたずら心でそうなってしまっただけなんだよ。
それから帰省の際、何度か けやきの森に行きましたが、最後に甥っ子と行った時、白い石膏だったなかよしの像は黄色に塗られて結構目立っていました。それも もう15年くらいの前の話です。御多分に洩れず生徒が少なくなり、2年後には廃校になるそうです。
今もまだあるのだろうか。正平さん、山形に行くのであれば是非見てきていただけませんか?そうして像がもし残っていたら、北辰小学校の後輩たちに、女の人が大きい理由を教えてあげてください。
是非よろしくお願いいたします。
草々
横浜市 伊東 護
横浜市
伊東 護さん(59歳)からのお手紙