にっぽん縦断 こころ旅
「父と娘、親子三人で過ごしたプライベートビーチ」
正平さん、チャリオ君、スタッフの皆さん、いつも心温まる番組をありがとうございます。
ちょうど10年前、まだ就学前の二人の娘を連れた
シングルファザーとなりました。
仕事をしながらの子育ては想像していたよりも大変でした。
保育園への送り迎えは時間との戦い。
残業が当たり前の職場だった為、上司や同僚の視線を背中にヒシヒシと感じつつ定時に職場を出ても、自宅と職場が離れていた為、お迎えの時間を過ぎることもしばしば。
娘達が、その日最後のお迎えとなってしまった時には、寂しく待たせてしまうことに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
でも、その日にあったことを笑顔で沢山話してくれる娘達と 三人で手をつないで帰っている時には「いつまでもこんな風に娘達と過ごせたら」と。時間に追われながらも娘達がそばにいてくれる日常に幸せを感じました。
それから、色々なことがありながらも娘達は健やかに育ち、めでたく難しい年頃になりました。
以前は一緒に買い物などのお出掛けにも付き合ってくれたのに、今はついてきてくれません。
でも、それは娘達が健全に成長している証し、だと自分に言い聞かせながらも、やはり寂しく思います。
そんな今年の春、楽園のようなビーチの写真で娘達の気を引いて、親子三人で沖縄へ旅行しました。
でも、春休み中ということもあってか、どこも観光客でいっぱい。
旅の中盤には娘達も少し疲れ気味。
そんな中、島の友達に教えてもらい訪れたのが「底地ビーチ」でした。
ビーチ近くの駐車場には 車が一台も停まっておらず「本当にここでいいのかな?」と少し不安になりつつも、松に似たモクマオウの林を抜けると、旅行パンフレットの表紙にあるような「白い砂浜とどこまでも続く青い海」が広がっていました。
しかも、私達三人以外には誰もいない、まさにプライベートビーチ!
否応なしに三人のテンションもあがりました。
波打ち際で遊んだり、砂浜で貝殻や珊瑚を探したりしながら 南国の海で楽しいひと時を過ごしている時、ふと保育園から三人で手をつないで帰った頃のことを思いだしました。
10年の月日が流れた今でも、変わらずに娘達と過ごすことが出来ていることに感謝の気持ちが溢れてきました。
そんな気持ちになった、あの南国のビーチ。
神奈川県海老名市
橋本賴明さん(45歳)からのお手紙