にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、こころ旅スタッフのみなさん
はじめまして。現在は社会人となった我が子が大学生の時、ロードバイクに乗りはじめた頃から この「こころ旅」を楽しみに拝見しています。
今回、山口県を旅されるとのこと、ぜひ、私の生まれ育った忘れられない町の風景を紹介したくてペンをとりました。
それは、山口県下関市豊北町(ほうほくちょう)阿川の「ほうせんぐり海浜公園」の風景です。砂浜と遠浅の青い海、沖には灯台の緑の灯りが見えます。
ちょうど50年前、共働きの両親のもとに生まれた私には祖父母がいませんでした。4人ともに他界していたからです。
そんな私は生後6週間から、昼の間 近所のご夫婦のもとに預けられました。
血のつながりはありませんが、私にとっては祖父母のような二人です。
おばあちゃんとは、波打ち際で遊んだり、散歩をしたり。おじいちゃんとは、ボートで沖に魚釣りに行ったり。
そして、働く母が少なかったあの時代、母は仕事を終えてから、小児ぜんそくだった私と波の音を聴きながら毎日ジョギングしてくれました。
おばあちゃんがなくなって19年、
おじいちゃんがなくなって6年、
母も喜寿をむかえましたが、このほうせんぐりの風景と、家族の笑顔と思い出は、私のこころに ずっと 住み続けると思います。
正平さん、よろしければ、この公園で、お弁当を食べながら、波の音と、穏やかな田舎の風景を楽しんでください。
正平さん、スタッフのみなさんも、長旅のお疲れが出ませんよう、安全な旅となりますよう、お祈りしております。
2019.8.22
野村 ゆかり
山口県下関市
野村ゆかりさん(50歳)からのお手紙