にっぽん縦断 こころ旅
正平さん スタッフの皆さん
お仕事 御苦労様です。
私の「心の旅」は山口県萩市玉江浦の小さな港のはしっこにある弁天様と浜辺です。
この小さな港のお祭りには 毛利の時代から続いている和船(わせん)競走があります。
若者は中学校を卒業すると(高校卒業する者もいる)上組(かみぐみ)、中間組(なかまぐみ)、角ヤ組(かどやぐみ)、下組(しもぐみ)に分かれて競走するのです。
それは、大変にぎやかなものでした。
私が小学6年生の頃、6つ上の兄が東シナ海へ漁に出ていました。弁天様から「兄ちゃ~ん、魚をいっぱいつってきぃよぉーー」
母は「 身体に気をつけぇ~よ 」
嫁さん達は「 あんたぁ 早ょー 帰っておいで 」
と それぞれの思いを言いながら
船が見えなくなるまで、手を振って、見送ったものです。
弁天様の次の浜に、大きなほら穴のある所があります。 そこでは夏休み中ずっと、毎日、泳いでいた場所です。
母が毎日泳ぐと脳膜炎になると言って叱られるので、
“スッポンポン”で泳いでいました。
下着で泳ぐと母にバレるからです。
浜辺に男の子が通ると首までつかり、静かにして、通り過ぎると「キャーキャー」言いながら泳ぎ始めるのです。
今から想えば70年前の話で
とても なつかしい、楽しい 思い出です。
追伸
とうちゃこーー 着いたよーー
バイバイーー
正平さんのこういう言葉に
心をいやされるのは 私一人でしょうか?
私は、脳梗塞で手が不自由なので
友達のノリちゃん(78歳)、なおちゃん(74歳)
に代筆をしてもらいました。
読んで もらえると うれしいです。
藤田 八重子(77歳)
山口県防府市
藤田八重子さん(77歳)からのお手紙