にっぽん縦断 こころ旅
父との思い出の風景
正平さん、スタッフの皆さん、いつも楽しい番組をありがとうございます。
こころ旅は、出勤前の日課となってます。
私の忘れられない思い出の風景は、福井県の坂尻にある民宿たくらさんとすぐ裏にある海水浴場です。
子供の頃、我が家はあまり裕福ではなかったので、外食も旅行もしませんでした。
ただ、年一回だけ、父が若狭湾にある坂尻の海水浴場へ母、姉と私を連れて行ってくれました。いつも『たくら』さんという民宿に泊まりました。
今では考えられませんが、隣の部屋とは引戸で区切られているだけでした。
クーラーの普及していない時代でしたから、閉めたら暑いので開けっ広げで寝ていました。
夜にはお皿―杯のサザエが出てきました。それがとても豪華に見えて 味は苦手でしたが、なんとも言えない幸せを感じたものでした。
裏には小さな海水浴場があり、朝から晩まで、海で遊びました。
波消しブロックまで浮き輪で行って、向こう側へ飛び込んだり西側の浜を行けるところまで行ったりしました。
そんな私に父はずっとつきあってくれました。
そんな海水浴も、中学校へ入った頃から『行きたくない』と拒否し 行かなくなりました。
父が亡くなって、今年は13回忌をむかえます。
私は思春期からずっと、父を毛嫌いしていました。理由はよくわかりません。
結婚してからは、同居したことを理由に、親孝行もしないまま父は亡くなってしまいました。
今になって、父へ何もしてあげられなかったことを とても後悔しています。
高齢になった母へ、父の分もと思い、旅行に連れて行ったりしていますが 父への申し訳ないという思いは、消えません。
父との唯一の思い出の場所は、今はどうなっているのでしょうか。
たくらさんは、まだあるのかな。
正平さん、是非見てきていただけませんか?
よろしくお願いします。
愛知県豊橋市 間嶋 ゆかり 55歳
愛知県豊橋市
間嶋ゆかりさん(55歳)からのお手紙