にっぽん縦断 こころ旅
家族の愛情を思い出す坂
正平さん、スタッフの皆さん チャリオさん こんにちは。
いつも番組を楽しんで拝見し、正平さんから 元気をもらっています。
私の思い出の坂は、南砺市下野(なんとししたの)の下野(したの)の坂です。
今は、舗装され 盛土もされてゆるやかな坂になっていますが、私が中学生の頃は、短いですが、地形に沿ったかなり急な坂道でした。当然舗装などされていなく、道幅も今の半分も無いくらいで 輪だちの間と両側が砂利で高くなっている道でした。今は、県道です。当時は定期バスが走っていたので、当時も県道だったと思います。バスの幅は道幅いっぱいなので、必ず草むらによけました。
私は、中学生になって 吉江中学校に自転車通学をすることになり、新品の自転車を買ってもらい、朝は下野の坂を下り、帰りは、自転車を引っ張って上りで通学しました。中学に入学して間もない時に 登校する時に 運動神経の鈍い私は、下野(したの)の坂の途中で転んでしまったのです。
買ってもらったばかりのセーラー服は汚れ ズボンの膝が破れてしまい ハンドルとサドルの曲がった自転車を引きずって家に引き返しました。
決して豊かではない家で 買ってもらったばかりの自転車を壊し、ズボンを破き、家族に申し訳ないやら 転んだ自分が情けないやらで 半泣きで家に帰った私を 家にいた祖父母、曾祖父母は、驚きながら 膝のほかに 怪我はしてないかと心配してくれました。夜、仕事を終えた母が「買ったばかりのズボンに早くも穴をあけて」と少しぼやきながらも 継ぎ当てをしてくれて ずっと そのズボンをはいて登校しました。
ちなみに通学途中の坂は下野の坂1か所だけで、あとは、平坦な道です。車で勾配の緩くなった下野の坂をたまに通りますが、通る度に家族の愛情を思い出しています。
夫は、こんな何(なん)もない つまらんとこに 正平さんが来る訳が無いと言います。
ダメもとで手紙を書いてみました。
富山県南砺市
窪田(くぼた)悦子 68歳
富山県南砺市
窪田悦子さん(68歳)からのお手紙