にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、チャリオ君、スタッフの皆様こんにちは。
いつも楽しく見させて頂いております。
佐賀へ行かれるのが分かり手紙を出させて頂きました。
私がこころに残る場所は唐津市相知町壱岐佐(いきさ)にある「見帰りの滝」です。現在は日本の滝百選にも選ばれています。
それは昭和38年~42年頃の中学・高校の思い出です。
当時小学校の遠足は決まって地元の作礼山(さくれいざん)か、ここの「見帰りの滝」でした。
中学になると夏休みは何度も泳ぎに行きました。
自転車で行くのですが滝に近づくにつれ難所の急坂になりハアハアでなんとか頑張り登りますが 途中からはもう限界で押して登りました。滝に着く頃にはクタクタで汗びっしょりになり 早く水の中に入りたくて急いで海水パンツに着替えて水に飛び込みます。水に飛び込んだ時の水の冷たさが日照った体に何とも言えないここち良さが 今でも忘れられません。
その後、高校生の頃には滝の横に一軒の売店と簡素な休憩所が出来て、他県からも滝の見物に来る人がいて夏の間は賑わってました。
ちょうどこの頃、流行していたエレキバンドを仲間とやり始めましたが、楽器も寄せ集めでまともではありませんでしたが、楽しくて夢中で練習をしていました。仲間の一人が夏休みに店に話をつけて 滝の横の岩場辺りで2日間演奏をすることになりました。初めて人前で演奏することに不安と興奮で地に足が着かない状態だったように思われます。面白いのがこの演奏の報酬 つまり今で言うギャラですが一人一杯のかき氷でした。でも、この2日間は不安と興奮が入りまじりながらの充実感でいっぱいでした。
今思えば、ただあれだけ脇目も振らずにひとつのことに夢中になれたことは、今68歳の人生で後にも先にもこの頃だったように思えてなりません。
正平さん、是非訪ねて頂きこれだけ夢中になれた頃を、又一瞬でも見させて頂ければ大変有難く思います。これまで行かれたなかで一番の急坂だと思われますので、坂のふもとで軽トラをしっかりつまえて下さい。こんな急坂で大変申し訳ございません。では、よろしくお願い致します。
東京都町田市 西尾康則 68歳
東京都町田市
西尾康則さん(68歳)からのお手紙