にっぽん縦断 こころ旅
ずっと残したいふるさとの景色
『小学校からまっすぐ伸びる農道』
正平さん、チームこころ旅の皆さん、チャリオくん、おはようございます。
いつも明るくて楽しい旅を、ありがとうございます。
私の通っていた泉川小学校には、プールがありませんでした。水泳の授業や、夏休みの遊びとして、小学校からまっすぐ伸びる農道を通って、運動公園のプールに行きました。
私には双子の姉がいて、学校に行くのも、プールに行くのも、何をするのも一緒。姉との夏の思い出といえば、てくてくおしゃべりしながら歩いた農道、プールではしゃぎ遊んだこと、帰りに『津軽の味』というお店で、アイスクリームやフランクフルトを競うように食べたこと。とても懐かしく思い出されます。
その後私は、大好きな故郷や家族と離れ、函館に就職しました。それまで、大きな挫折を味わうことなく生きてきた私でしたが、就職してからは人間関係に悩む日々が続きました。はじめて、一人ぼっちになりました。
そんなときリフレッシュしようと、久しぶりに故郷に帰ってきた私を、姉は車で迎えに来てくれました。
車に乗った途端、『おかえり』と迎えてくれた姉。温かい笑顔、聞き慣れた優しい声に、私は我慢していた涙をこらえきれませんでした。
いきなり帰宅して、泣き顔を両親に見せたくないだろう、と気遣った姉は、夜道を少し遠回りして、小学校や農道を通ってくれて、言いました。
『あんたは、いっつも無理してさ、頑張ってるの。わかってるよ。』
就職してからの私の様子を知らない姉ですが、その言葉に救われたように思いました。誰かに、頑張ってるって認めてほしかった。
きれいにまっすぐ伸びるその農道も、夜道でしたがあのときのままで、なんともいえず前向きな気持ちにさせてくれました。
私は今もその職場にいますが、姉は数年前から神奈川県で働いています。そう遠くないうちに、大切な人と めぐりあい、名字も変わってしまうのかな、と少し寂しい気持ちもありますが、やっぱり私にはかけがえのない存在です。
まだ秋の旅は始まったばかりですが、毎日テレビの前で応援しています!
北海道函館市
柳谷 愛美
北海道函館市
柳谷愛美さん(27歳)からのお手紙