にっぽん縦断 こころ旅
正平さん、スタッフの皆様、初めまして!
「とうちゃこ版」はなかなか見れないのですが 朝は起きるとすぐテレビをつけ、家事をしながら、いろんな人のいろんな人生を感じながら「こころ旅」を見ています。
正平さんの茶目っ気のある所、まるで中学生のいたずらっ子のような面が大好きです。
私の想い出の場所は 北海道サロマ湖畔のワッカ原生花園のサイクリングロードです。
2009年5月16日(土)、夫と私は15日間の計画で北海道へ出発しました。
走行距離4000km近くになりましたが、全行程、夫が一人で運転しました。
数々の想い出の地がありますが、その中でも6日目にサロマ湖畔に着き、ワッカ原生花園の中をレンタル自転車で走ったことが、一番強く記憶に残っています。
5月のさわやかな風を切って、大自然の花園の中を走るのはとても壮快でした。
しばらくすると 夫が「もう戻ろう」と言い出しましたが、私は「もう少し、もう少し」と先へ先へと進んで行きました。
すると小さな橋が見えてきました。
その橋は なんとサロマ湖とオホーツク海の水が交わる海流の上に作られていたのです。
橋の近くは木も草もなく、手すりの外側は底知れぬ深い湖と海。
カナヅチの私は、その水の流れを見ていると雄大な光景に感動すると共に、何か吸い込まれそうな恐怖さえ湧いてきて手すりをしっかり握りしめていた事を想い出します。
それから わずか6年後の2015年の秋に、夫は天国へ旅立ってしまいました。
もう二度と行けないであろうワッカ原生花園、そしてサロマ湖とオホーツク海を行き来する海流の様子をもう一度見たいです。
正平さん、私と夫の代わりにそのサイクリングロードを走っていただけませんか。
この手紙を書きながら、DVDの巻き戻しのように6年前に戻れたらと涙が出て来ます。
風を切って走っている皆さんの姿を見たら、夫の姿を重ね合わせて私は泣く事でしょう。
それでも ぜひ見せて欲しいのです。
お願いします。
乱筆、乱文で失礼します。
2017.5.16(火)
喜多方市 佐藤 富子
福島県喜多方市
佐藤富子さん(75歳)からのお手紙