にっぽん縦断 こころ旅
私の本籍地である鴻之舞
私にとっては心象風景なのです。
かつて私の本籍は「北海道 紋別市 鴻之舞旭町番外地」でした。
昭和38年に父はこの地を離れましたが、今から30年ほど前でしたか、父は一度だけ、閉山になり、今は管理人がいるだけというその街へ行ったことがありました。
街の入り口に立った時、今は人が住まなくなり荒れたままの街並みを見ている筈なのに、一番賑やかだった当時の街の様子が目の前に現れたのだそうです。
建物の中で働いている人々の顔、往来を行きかう人々の顔がはっきりと見えたと言います。街の喧騒を肌で感じたと言っていました。
もう、行かなくてもいい、と語っていた父も、間もなく病を得て外出もままならない体となってしまい、5年前に、終に儚くなりました。でも、私は、父とこの地を訪れてみたかったです。
今回、北海道という事で、正平さん、スタッフの皆様に、行って見て頂けたら嬉しいと思います。
埼玉県東松山市 髙橋 美緒 53歳
埼玉県東松山市
髙橋美緒さん(53歳)からのお手紙