にっぽん縦断 こころ旅
ずっと残したい、ふるさとの風景
火野さん、チャリお君、今回広島県と聞いて早速お手紙を書きました。
ココロ旅は昔から見させていただいており、私の子供がまだ小さい時から、迷彩柄を見ては「ココロさんじゃー」と言っていました。
さて、私のココロの風景は、三原市久井町にある『久井の岩海』です。
夏休みになると、私の母は実家である久井町に私を預け、毎日休みなく働いていました。その久井には、祖父と祖母がいて、毎日、夏は野菜の出荷、その他は米作りやら畑仕事に明け暮れていました。
私が成人し車の免許を取った頃、祖父が他界しました。
1人になってしまった祖母の面倒を見るため、私は久井の実家によく顔を出していました。田んぼと山ばかりでスーパーなどなかったので、よく私が足になって買い物に出かけていました。
その時よく話に出てきたのは、久井の岩海のことです。
「不思議なところがある、あんたに一度でええけえ見せてやりたいのぉ」祖母の言葉に好奇心で行ってみると、山の中に、岩が一面に広がっています。
どこが不思議かと、首をかしげる私に祖母は「よく耳を澄ましんさい」
言われた通りに耳を澄ませると、どこかから水のせせらぎの音が。
川なんてないのに・・・とビックリしている私に祖母はどこか得意げな顔で「すごいじゃろー」と子供のようにニコニコして言うのです。
それからも買い物に行くと必ず岩海へ行き、2人でその偉大なる自然に感動していました。
月日が経ち、祖母も2年前に他界しました。
今でもたくさんの岩を見ると、祖母と行った岩海を思い出し、懐かしく思います。
そんな私と祖母の思い出の場所、久井は私のココロのふるさとです。
ぜひココロさん、チャリお君、立ち寄って下さい。
広島県府中市 石田 佳子 49歳
広島県府中市
石田佳子さん(49歳)からのお手紙