にっぽん縦断 こころ旅
私のこころの風景は、中津市大貞にある「薦(こも)神社」です。
子どもの頃のアルバムを振り返ると、お宮参り、七五三、稚児行列にお化粧をして参列している様子など、大切な成長の記録にはいつも薦神社がありました。
初詣はもちろん、受験合格祈願の時だけでなく、大きな池、きれいな紅葉、どんぐりなどもあるため、亡くなった祖父が、子守の際は私たち姉弟をよく連れて行ってくれました。
鳥居の下の石段に引っかかって動けなくなった保母さんの押すリアカーを祖父が手伝って通してあげた光景がつい昨日のことのように思い出されます。
九月に行われる仲秋祭では、三基のお神輿が出ます。
父は独身時代、このお祭りに命をかけていたそうです。
小さい頃は、親戚みんなで集まって、毎年見に行っていました。
出店を行き交う人々のたくさんの足の中を迷わないよう必死に母について行く私に、心臓に響く太鼓の音に負けないくらい大きな声で父が興奮気味に祭りのいろいろを説明してくれたことを覚えています。
祭りの後、父が作ってくれた本物そっくりの段ボールお神輿を弟と一緒に担ぎ「わっしょいわっしょい」と家中何日も練り歩いたものです。
そんな父の思いを引き継ぎ、今年の秋には初めて弟が神輿担きとなりました。あの小さかった、反抗期はどうなることかと心配した弟が…と感慨深かったです。
私は来春、結婚をする予定です。親から子へ伝わる薦神社のパワーを、いつかは私の子どもにも伝えられたら、新しい家族も一緒にお神輿を見に行けたら素敵だなと思っています。
正平さんもぜひ、パワーを感じて見てください。
※池のほとりに「神様の足跡」があるそうですよ!!
福岡県北九州市
末廣 優さん(29歳)からのお手紙