にっぽん縦断 こころ旅
正平さん スタッフの皆さん 何時も楽しく 拝見しています。私の心の風景は、鳴門市里浦町恵美寿の大手海岸です。
私の家は里浦町で鳴門金時を作っている農家で 私は七人姉妹の六番目でした。いつも忙しく働く両親でしたが 節句の祝いなどの折には、重箱に煮物を詰めた弁当を作り海岸へ行きます。
幼い私は それをとても楽しみにしていました。
決して豊かとは言えない生活でしたが 節句のお弁当や砂浜で姉達と走り回って遊んだあの頃を 七十を過ぎた今でも色鮮やかに甦る幸せな記憶です。
本州へ嫁いだ私は、出産の時、親の葬儀、いつも帰省は人生の節目でした。そして必ず海岸に立ちました。大手海岸は悩み事も辛い事も全て温かく包んでくれました。今は昔と違って高い堤防が長く続いています。まっすぐ延びているその上を是非走ってみて下さい。
片側は見渡す限り鳴門金時の畑、芋の葉の波が 浜風にうねるのが見えることと思います。
穏やかな鳴門の気候そのままの優しい海を 感じて頂けたら嬉しいです。
今津 勝子 72歳
兵庫県加古川市
今津勝子さん(72歳)からのお手紙