谷口邦子さんの「こころの風景」は故郷の大山町鈑戸にある野墓の風景です。野墓とは、一人の死者に対して「埋葬する墓」と「お参りする墓」の二つのお墓を作る「両墓制」で、遺体を埋葬する方のお墓。穴を掘るときに出た石をそのままお棺の上に置いただけの素朴な墓で、いつか自然に戻ってゆく、その風景が谷口さんはたまらなく好きだといいます。久しぶりの雨の中、倉吉駅から御来屋駅まで輪行した正平さんは上り坂をものともせず鈑戸をめざします。ようやくたどり着き、川のそばにひっそりたたずむ野墓を発見。そして奇跡のような再会が・・・。