
あーやん(亡き祖母)へ
あれから13年が経とうとしています。着の身着のまま逃げたあの日、これからの生活がどうなっていくのか不安だったあの日から、たくさんの人に支えられ、たくさんの人からもらった優しさに感謝しながら毎日を過ごしてきました。
鵜住居小学校校舎が被災し、他校を借りて進学が始まった日、
児童会長として「心を一つにして頑張りましょう」と挨拶したことを今でも覚えています。
運動会、修学旅行、学習発表会などいつもとは違った環境の中で
先生方の温かい思いへの感謝も忘れることが出来ません。
小さいころから兄と一緒に水泳、三味線、剣道などの稽古に励んでいた私は、すべてを失っても剣道は続けたいと思っていました。
瓦礫の中から祖父が見つけてきてくれた木刀、あの時「また剣道ができるかもしれない」と喜び、今でもその時の木刀は大切にしています。
仲間とともに切磋琢磨し汗を流し喜びも悔しさも分かち合いながら稽古に取り組んだ大学4年までの18年間、私を支え奮い立たせてくれたのは剣道でした。
あーやん、兄は新しい事業のプラントマネージャーとして頑張っています。
そして私は、岩手県警の警察官として日々教官や先輩からの叱咤激励の下、同期生とともに頑張っています。
今私たちにできる精一杯のことに必死に取り組み、今の幸せを当たり前と思わずに感謝し、あーやんが教えてくれた優しさや頑張る力を大切に、前を向きしっかりと一歩ずつ進んでいきたいと思います。
この一歩が大切な未来へとつながるように見守ってください。