





明夫さんは、自宅近くに住む体が不自由な人に避難を呼びかけに行き、津波に巻き込まれました。
震災から11年目。かけがえのない経験と出会いがありました。
新しい命の誕生です。初めての出産で不安だった私は“家族を遺して行ってしまった事、すべて許すから、どうか生まれるその時はそばで見守っていてね“とおじいさんに語りかけました。
想いが通じたのか、お産はとても護られたものでした。
母子共に健康で素晴らしい安産でした。
おじいさんの誕生日の2日前に生まれました。
ありがとう。生命とはあざやかで尊いものですね。
今年の3月も女川に色を供えます。
故郷で亡くなった方、残された方を想い、絵で祈り続けていきたいと思います。
おじいさんへ
あれから10年経つ今年、私は結婚式を挙げます。
大好きなおじいさんには、花嫁姿を見てほしかったです。
先日、はかった様におじいさんの夢を見ました。
結婚式当日の夢で友人に祝福される中、
タキシードを着たおじいさんが私の目の前で両手を上げて
満面の笑みで喜んでいました。私はそれをおじいさんからの
メッセージとして受け取りました。私の旦那さんになる人は
心に正義の芯を持ち、その正しさを貫ける人です。
私はその正義に守られ、救われました。この人がいれば
私は大丈夫です。どうか、安心して下さい。
もし子どもができたら、おじいさんの事を伝えて繋いでいきます。
これからの私達の幸せをどうか見ていて下さい。
大事な時は、そばにいてね。これからもずっと。
瑞季より
おじいさんへ
おじいさんが最後にした事は、私の道標になっています。
私もおじいさんの様に暗がりがあれば進んで明かりを灯し、
これからも、沢山の人の幸せを祈り描いていきます。
絵で祈り、愛で色を、届けていきます。
どうか最後まで見届けてください。
私の幸せも、最後まで、見ていてください。
瑞季