永吏可ちゃんと倖太郎くんの父親の敬幸(たかゆき)さん、母親の貴保(きほ)さんからのメッセージ
あれから2年半。時間が過ぎていくのはあっという間だけど、いつまで経っても気持ちは震災の時のまま止まってる。
現実でなければ良いと願ったけれど、永吏可が一輪車で運ばれてくる姿を見て、現実なんだと認めざるを得なかった。
びしょ濡れだったけど、いまにも目を覚ましそうなきれいな顔をしていたのを良く憶えてる。泣き叫び、しがみつくパパを見て、ママは何故か泣けなくなって、ただ呆然と見ていることしか出来なかった。その時、冷たい母親なのかと悩みもした。ただただ一緒に居てあげられなかった事、側にいてあげられなかった事が悔しくてならない。
どんなに恐かっただろうと想像するだけで、胸が張り裂けそうになる。今でも永吏可と倖太郎を想うとこんなにも簡単に人は泣けるんだと思うくらい、涙が溢れてくる。まわりの子達が成長していく姿を見て喜ばしい反面、永吏可と倖太郎はどんな風になっていただろうと悲しくなる。
永吏可は私達の手元に帰ってきてくれたけど、倖太郎は帰ってこない。魂は身体にある訳ではないと分かってはいる。でも、私達の子として生きてくれた証を、例え遺骨であっても残したかった。もう2人を抱きしめてあげることも、声を聞くことも出来ない。
だけどこれからもずっと、いつも2人に話してきたように、「永吏可と倖太郎はパパとママの宝物。」パパとママの子供として生まれてきてくれて、思い出を沢山くれて本当にありがとう。
最後に、お父さん、お母さんへ。
頑張りに気付いてあげられず、生きてる間に親孝行してあげられなくてごめんなさい。
亡くなって初めて、いかに大変だったか考えさせられました。お父さん、お母さんが残してくれたものを、一生懸命守っていきたいと思います。今まで本当にありがとうございました。
どうか、天国でみんなが笑顔でいてくれることを願っています。
P.S.天国でも、永吏可と倖太郎の事、よろしくお願いします。