あの日、そして明日へ

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岩間正喜さん(いわま・まさのぶ/当時81歳) 貞子さん(ていこ/当時77歳)岩手県釜石市

自宅の2階まで押し寄せた津波に流されて亡くなりました。

震災から12年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

最近2・3回義母の夢を見ました。
昔と変わらない元気な義母でした。

そんな時娘家族がコロナにかかり心配してましたが
私達が会いに行くことが出来ず心配していました。
でもみんな軽症でした。
きっと見守って暮れていたのだと思いました。

あの時二人を助けることができなかったのに
ずっと見守ってくいれているんだなと実感しました。
また夢で楽しくおしゃべりをしたいなと思っています。

震災から11年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

通院することが増え、生活が大変になりました。
年金も少ないので、将来がとても不安です。
持ち家だったので家賃や駐車場代もかからなかったのに今は大変です。
パートに行ってますが、生活が大変です。いつまで働けるかも不安です。

二人はこのごろ夢にも出なくなりました。さびしい気持ちです。
いつもは元気だったころのままで夢に出るので悲しい思いをさせませんでした。

あれから10年、元気だったらどんな生活になってたのかなと時々思うことがあります。

色々な場所で色々なことが起こっています。
常に家族と避難場所とかを話し合っておくことが大切だと思います。

震災から10年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

時々夢に2人がでてきます。いつも元気で一緒に住んでいたときの2人です。
あれから10年 年々病院に行く事が増え生活が大変です。
年金では生活ができずパートに行ってます。60歳を過ぎてからの仕事は体にこたえます。
持ち家だったので家賃や駐車場代などかからなかたのでその分 生活費にまわせたので今よりは良かったと思います。
健康面でも不安があります。

震災から9年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

震災から9年になろうとしている今は気持ちはだいぶ落ち着きました。

通院も増え、日々の生活に不安が増えました。
年金生活ですがとても少なく生活が出来ないので今、仕事を探しています。
なかなか自分にあう仕事がありません。将来がとても不安です。

亡くなった二人は今も時々夢に出てくれます。毎回元気だった頃と変わらないです。
時々元気だったらどんな生活になってたか考えることがあります。
もう元には戻れないのでこの先の事を考えながら生活していきたいと思っています。

震災から8年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

夢に出てくるのも少なくなりました。
でも毎回震災前の元気だった2人です。一度も悲しい思いはさせません。一緒に居て助けられなかったのに。
とても感謝しています。心配させず、見守ってくれているのだと思うようにしています。

当時はすぐ再建できると思っていましたが、いまだにできません。無理だと思います。
日々の生活におわれ、家賃が高くなったり、病院代が増えたりと、年金は少ないし。
町中は復興がどんどん進んでいますが、本当に必要な物を建てたりしているのかなと思います。もっと別な本当に必要な事への復興をしてほしいです。

震災から6年半を迎えて

長男の妻 美代子さんより

当時住んでいた浜町の自宅が思い出の場所です。

結婚してからずっと同居していました。あの日も、義父・母・私・孫の4人で一緒にいました。あの日のことは今でもはっきり覚えています。
津波が見えたので、当時小学2年生の孫と2人で、自宅3階に上がり、気がつくと2人は上がっていませんでした。
暗い、寒い夜を孫と2人でベランダで一夜を過ごし、次の日家のまわりを見て、言葉にできませんでした。あまりにも変わり果てた浜町でした。
両親を亡くした主人は、いまだに気持ちを文には表せないと言っています。
その日の朝「いってきます」と言って家を出て、「いってらっしゃい」と言った両親の信じられない姿を見て、すごくショックだったようです。
このごろは思い出話を少しずつするようになりましたが、メッセージは書けないそうなので、私が毎回書いています。
浜町はまだまだ復興していません。土地はあっても、再建はあきらめました。
建てられる時期が10か月遅れると、最近連絡がありました。今は4人いる孫の成長を楽しみに生活しています。みんな健康なので、それが一番だと思っています。
(「思い出の場所」についてお聞きしました。)

震災から6年を迎えて

長男の妻の美代子さんより

今年初めて二人の夢を見ました。震災前の元気な二人でした。

何もなかったころの会話をしました。毎回元気な姿で夢に出てきます。一度も悲しい思いをしたことがありません。
一緒にいて助けることができなかったのに辛い思いをさせない二人にいつも感謝しています。

元の場所には戻れそうもありません。先祖代々住んでいた場所なのにとても残念です。
そういうことも理解してくれてるように思います。
いつもあたたかく見守ってくれている二人です。
とてもうれしく感謝の気持ちでいっぱいです。

残された家族、仲良く健康でいることが一番だと思います。
これからも見守ってくれると思います。

震災から5年半を迎えて

長男の妻の美代子さんより

去年の春に復興住宅に引っ越してから1年5ヶ月になります。
海から離れた場所にあるため、安心した生活をしています。

九州の地震を見てあのころを思い出しました。
それからも各地で地震がありテレビで見るたびに胸が痛みます。
震災前に住んでいた場所の復興は全然進まず、土地があっても戻れそうにありません。
今まで戸建に住んでいたのでアパートでの生活に不安があります。
でもまだまだ仮設に住んで居る人の事を思えば、復興住宅に入れたことに感謝しています。

残された家族で力を合わせてこれからも生活していきたいと思っています。

震災から5年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

去年の春に復興住宅に入り、今はとても安心して生活ができます。海からも離れているので、津波注意報が出ても心配ありません。
生活は、震災前は共働きだったけど、私が震災の影響で職をなくし、当時、小学2年生の子どももいたり年齢的にもなかなか仕事が見つからず、子どもを預ける所もなく、そのまま1人だけの収入で生活しているので、義援金を切り崩して生活費にしているので、自宅を建てることはできそうにありません。
土地はあってもかさ上げが必要だし、まだ工事も始まりません。2年くらいかかると言われ、もうローンで家を建てることもできません。
先祖代々の土地だし、お墓も近くにあるのに戻れません。
義父母はこのごろ夢に出てきません。安心してくれてるのだと思います。
子どもや孫は無事だったので、自宅はなくなっても復興住宅でがんばって行こうと思っています。

震災から4年を迎えて

長男の妻 美代子さんより

春にはようやく復興住宅に入れる予定です。
安心して生活できそうです。
海からは遠くなるので、津波の心配がなくなります。

義父母は時々夢に出てきますが、震災前の元気なころの2人で全然心配ない感じです。
一緒にいても助けることができず自分を責めていましたが、夢に出てくる2人はいつも笑ってくれているので、少しずつ心が落ち着いてきています。
悲しい思いをさせない2人に感謝しています。

震災から3年を迎えて

長男の一行さん(53)より

全然、先の見えない3年間です。
仮設住宅での不自由な生活をいつまで続けなければならないのでしょうか。

土地はあっても盛土しなければ家を建てられません。
建てたくてもローンもできず、自宅再建はとても難しいです。 お墓も前の家の近くにあるので戻って生活したいのですが、老後を考えるとますます再建は難しいです。

復興住宅に入る事にしましたが、家賃もかかり大変になります。
でもここの仮設住宅で長く生活はできません。
結露がひどくカビだらけです。近所トラブルもあります。
今までアパートとかに住んだ事がないので復興住宅に入ってもとても不安です。 知らない人達の中での生活がどんなものか分からないので、一日でも早く何も気をつかう事のない前の生活に戻りたいと思っています。

自宅再建に多くの補助があれば希望はもてるのですが、今の補助では土地があっても建てられません。
もっともっと考えてもらいたいと思います。

長男の妻 美代子さんからのメッセージ

あの日、私は孫(8歳)と義父母と一緒にいました。
義父は脳梗塞になり体が不自由で家の中で歩くのも大変でした。自宅は3階建てで、揺れが大きく、義父を連れて外には出られませんでした。
義父が『揺れがおさまるまで待とう』と言うのでみんなで家にいましたが、気付くと津波は2階の高さまで来ていました。
何の音もなかったので誰も気付かず、びっくりして『早く3階に上がって』と私は叫びました。私は孫を守りながら3階に上がるので精一杯で、2人とも後から来ると思っていました。
今考えると、義母が義父を連れてくるには時間がかかったのだと思います。
3階に上った私は津波の高さがだんだん上がってくるので恐怖で自分も孫もここで死んでしまうと思いました。すぐ暗くなり、懐中電灯も電池が切れていて使えず、寒さと恐怖で朝を待ちました。
翌朝、自衛隊の人に救助され近くの市役所に避難しました。
義父母を助けることができなかったのはとっても残念ですが、今考えるとあの時義父母を上に上げようとしたら私も死んでいたかもしれません。
助かった私と孫と家族は、亡くなった義父母の分までがんばって生きていこうと思っています。

岩間正喜さん、貞子さんへのメッセージ・写真を募集しています。

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