NHK高校講座

総合的な探究の時間

Eテレ 春・夏・冬特別講座放送
※この番組は、一部昨年度の再放送です。

総合的な探究の時間

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今回の学習

第2回 コミュニケーション

あなたが人とつながることで何が生まれるか?(2) 〜ひでくんの場合〜

学習ポイント学習ポイント

あなたが人とつながることで何が生まれるか?(2) 〜ひでくんの場合〜

探究的な学習とは?
  • 総合的な探究の時間
  • 課題の設定、調べる、考察とまとめ

総合的な探究の時間、第2回です。
「総合的な探究の時間」は、与えられたテーマから、みなさんが自分で課題を見つけて調べる学習です。

まず、あなたなりの課題を設定し、その課題について自分の力で調べ、考察してまとめる。
これを繰り返すことで、「自分で問題を解決できる力」が身についていきます。

オリエンテーション “人とつながる”とは?
  • ひでくん
  • テーマ「あなたが人とつながることで何が生まれるか?」

今回、探究的な学習に取り組むのは、栃木県の高校2年生のひでくんです。
好きなものはアニメやゲーム。学校では生徒会長も務めていますが、人見知りする性格だそうです。

まずは担任の松本先生と生徒、みんなでオリエンテーションです。
1年生のノムくんも参加します。

テーマ「あなたが人とつながることで何が生まれるか?(コミュニケーション)」
人とつながるとは、どのようなイメージがありますか?

ひでくん 「新しい空間じゃないけど、そういう世界っていうか、そういうものができるってことですかね?」

でも、ひでくんはあまり「人とつながりたい」とは思っていないようで…

ひでくん 「純粋に大変だから。自分のやりたいことに、今、時間を割きたい時が多いから、趣味趣向が合わない人とつながりたいとは思わない。」

人とつながることにはちょっと消極的なひでくんですが、自分なりの課題を設定するところから探究をスタートします。

「課題設定シート」の書き方
  • 課題設定シート
  • (1)「あなたの課題」を記入

課題の設定には、「課題設定シート」を活用しましょう。
番組サイトからダウンロードできます。

最初に(1)の「あなたの課題」を記入します。
「誰と、どうやってつながったら、〇〇かもしれない」と書いてみてください。

  • (2)「調べること」「調べる方法」を記入 
  • 4つの選択肢

次に、あなたの課題を探究するために必要な「調べること」「調べる方法」を(2)に記入します。
調べる方法に迷ったら、「自分でやってみる」「まわりの大人に聞いてみる」「ネットで調べてみる」「図書館に行ってみる」の4つの選択肢のうち、自分にできそうなことから始めてみましょう。

ポイント:課題を設定するときは自分の好きなこと・興味のあることから探してみよう
探究が長続きする秘けつです。

ステップ1:課題の設定
  • 課題設定シート1
  • 課題設定シート2

ひでくんが書いた課題がこちら。

(1)課題:プログラマーとSNSやメールでつながったら、プログラミングの勉強になるかもしれない
(2)調べること・方法:どうすればプログラマーとつながれるか? ネット(ブログなど)で検索する

松本先生 「どうしてプログラマーとすぐに書いた?」

ひでくん 「自分が今、得意だと思っていることがパソコンをいじる、プログラミング関係だと思っているからです。」

ひでくんの「課題」と「調べること」「調べる方法」が決まりました。
ひでくんは課題を解決するために、どんな人とつながっていくのでしょうか?

ステップ1:調べる
  • ブログを検索するひでくん
  • 探究失敗!?

早速、スマホでつながれそうなプログラマーを探すことにしました。
どうやって検索するのでしょうか。

ひでくん 「“プログラマー” ”ブログ“ってキーワードで何件か見てみているんですけど…」

1時間検索し続けましたが、プログラマーは見つかりませんでした。

ひでくん 「(このまま続けるのは)ちょっと厳しいんじゃないかと…」

いきなり探究は失敗!?

ステップ1:考察とまとめ
  • 何が足りなかった?

なぜ、ひでくんの探究はうまくいかなかったのか?

ポイント:探究に行き詰まったら一度まとめて考察してみよう

ステップ1では、何が足りなかったと思いますか?

ひでくん 「うまい調べ方です。」

ポイント:調べる途中で失敗したり、行き詰まった場合は「課題」「調べること・方法」を見直してみよう

ひでくんは、ステップ1の「調べる方法」がよくなかったと気付きました。

ステップ2:課題の設定
  • ステップ2の課題設定シート2

ひでくんが書いた、ステップ2の課題がこちら。

(1)課題:プログラマーとSNSやメールでつながったら、プログラミングの勉強になるかもしれない
(2)調べること・方法:プロミラミング(Java)について詳しくブログなどで掲載している人と、どうすればつながれるか? インターネットに詳しい人に聞いてみる

「プログラマーとつながる」という課題はそのままで、調べる方法が「ネットで検索する」から「インターネットに詳しい人に聞く」と変わりました。

失敗を経験したことで、ひでくんのステップ2の探究はどのように進展するのでしょうか?

ステップ2:調べる
  • 松本先生に質問
  • ひでくんの宿題

ひでくんはさっそく、インターネットに詳しい担任の松本先生に会いに行き、自分が欲しい情報を得るための方法を相談しました。
ひでくんは、ここで初めて人とつながることができました。

つながった松本先生から2つのヒントをもらいました。
1、「Yahoo!知恵袋」で聞いてみる
2、プログラムに詳しい卒業生の先輩に相談してみる

ひでくんは、これを宿題としてやってみることにしました。

  • ひでくんの質問1
  • ひでくんの質問2

3週間後、宿題の結果発表です。
ひでくんはYahoo!知恵袋に2つの質問をしてみました。

ひでくん:自分の欲しい情報を得るためには、どう検索したらうまく出てくると思いますか?
[回答]:似た名前とか関連のものから少しずつ狭めていく

ひでくん:プログラマーさんとつながるためにはどうしたらいいでしょうか?
[回答]:イベントとか勉強会みたいなものがあるから参加してみてはどうですか?

しかし、勉強会は個人が開催しているものが多くて、参加したいものが見つからなかったそうです。

  • Qiita
  • Qiitaへのひでくんの質問

また、先輩にSNSで「どうやったらプログラマーさんと連絡が取れますか?」と聞いてみると、「プログラマーさんとつながりたいならQiita(キータ)を見なさい」と返信がきました。

Qiitaとは、日本最大級のプログラマーコミュニティサイトです。初心者からプロのプログラマーまでが集まって、情報交換などをしています。

ひでくんは、Qiitaに質問を送ることにしました。

ひでくん:プログラムを書くときに気をつけていることはありますか?また、プログラミングをやる上でこんなことはやっておいた方がいいとか、逆にこんなことはやらない方がいいといったことはありますか?

  • Qiitaの回答1
  • プログラマーとつながった

[回答]:気をつけていることはさぼらないことでしょうか。似たような処理をコピペで2か所に書いたり、変数名を適当につけたり、みたいなことはしないようにしています。
プログラミングをする上でやっておいた方がいいことは公式のドキュメントを読むことです。英語なことが多いですが、もし英語が得意でなくても調べられるようになると良いと思います。

と返信がありました。
ついにひでくんはプログラマーとつながることができました!

ステップ2:考察とまとめ
  • 勉強って?
  • プログラマーさんと本当の意味でつながりたい

プログラマーから具体的なアドバイスがいろいろと返ってきて、ひでくんは知りたい部分に近い回答を得ることができたと言います。

では、ひでくんの「プログラマーとつながる」という課題は解決できたのでしょうか?

ひでくん 「課題はとりあえずクリアできたのかなと思っちゃいます。ただ『勉強』というのが具体的にどこを指すのか…うーーんっていうとこになっちゃっているから、クリアできていないといわれると、クリアできていないのかなとも思ってしまいますね。」

モヤモヤしているようなので、ステップ2の考察とまとめをしましょう。

ひでくんは、課題設定シートの(3)に
プログラマーさんと本当の意味でつながれるようにしていきたい
・自分の中での勉強というのは具体的にどういうものなのか考えていきたい
と書いて、ステップ3に進みます。

ステップ3:課題の設定
  • 課題設定シート(3)1
  • すぐ逃げるのではなく、一度考えてから選択

ひでくんが書いた、ステップ3の課題がこちら。

(1)課題:プログラマーや、それを学んでいる先輩と、本当の意味でつながったら、自分の中での勉強とはどういうものなのか分かるかもしれない
(2)調べること・方法:本当の意味で“つながる”というのはどういうことか 実際に会って話してみる

オリエンテーションの時、「あまり人とつながりたいとは思わない」と言っていたひでくんは、なぜ「人とつながりたい」と考えが変わったのでしょうか?

ひでくん 「やっぱり自分はもうちょっとプログラミングの考え方とか、人とのつながり方というのを、より考えてみたいなと。(人とつながるのは)苦手、苦手って逃げるんじゃなくて。」

コミュニティサイトでプログラマーとつながれたものの、それが本当に“つながる”ということなのか?
自分がプログラムについて勉強したい目的は何なのか?

ここまでの探究を経て、ひでくんには大きな気付きがあったようです。
ひでくんは、課題を根本的に見直して、ステップ3では新たな課題と調べること・調べる方法を設定しました。

ステップ3「調べる」
  • 先輩に電話をしてみる
  • プログラムに詳しい先輩につながった

ひでくんは、SNSでQittaのことを教えてくれた、大学でプログラムを専攻している小嶋龍輝(りゅうき)先輩に会って話を聞くことにしました。
今度は直接、電話をして会ってもらえるか交渉してみます。

ひでくん 「Qiitaに自分で質問してみたんですね。プログラマーさんと(どうやったらつながれるか)。その結果、自分としては課題はクリアしたと思いつつも悩んでいます。どうしたら解決できるか、先輩に会ってお話ししてみたいなっていうことで。」

先輩 「分かった。じゃあ、今から向かうね、そっち。」

思い切って電話をしてみたことで、プログラムに詳しい先輩につながることができました!

  • 先輩からの質問
  • ゲームプログラマーになりたかったんだ

ひでくんの高校の卒業生で、今は大学でプログラムを学んでいる小嶋龍輝先輩。

小嶋先輩 「プログラマーとつながりたい?」
ひでくん 「プログラマーとつながって自分の勉強を深めたいです。」
小嶋先輩 「プログラムが書けるけど、それで何がしたいの?」
ひでくん 「自分の根本にあるのは『ゲーム』です。」
小嶋先輩 「ゲームプログラマーになりたい?」
ひでくん 「はい。」

ひでくんは「ゲームプログラマーになりたかった」のです!
では、どうすれば本当の意味でゲームプログラマーとつながれるのでしょうか?

小嶋先輩 「ゲーム作りとか、プログラム初心者ですけど、誰かいっしょに『ゲームを作りませんか?』と(自分から発信する)。そうしたら、いっしょにやってくれる人は少なからずいると思う。」

先輩はそう言いますが、ひでくんはそんなことをやる自信もありません。
どうすればいいのでしょうか?

小嶋先輩 「プログラムの知識をつけて、プログラマーの言っていることが理解できるとか、Qiitaに書かれていることに共感できるとか。それくらいプログラムというものに関して勉強することが自信をつける一歩かな。
どんなにくじけても、どんな壁に当たってもいいから、『ゲームを作りたい!』っていう気持ちがいちばん大事。」

ひでくんは先輩につながったことで、何に気付き、どのように考えを深めたのでしょうか?

レポート提出〜ステップ4
  • レポート提出
  • 新しい課題ができると思う

ひでくんは、3つのステップで探究したことを振り返り、レポートにまとめて、担任の松本先生に提出しました。

松本先生 「探究を通して自分はどんなふうに変わった?」

ひでくん 「ゲームプログラミングをやりたい。それに関することを将来やっていきたいと変わりました。」

ひでくんは自分の課題を解決できたのでしょうか?

ひでくん 「解決は…完全にはできていないと思います。自分の思い描いているゲームを作れるのかといったら、そうじゃないから、また新しい課題ができるのかなと思います。」

  • ステップ1
  • ステップ2

〔探究の振り返り〕
▼ステップ1 ひでくんが設定した課題は「プログラマーとつながったらプログラミングの勉強になるかもしれない」でした。
しかし、ネットではうまくつながることができませんでした。

▼ステップ2 調べる方法を「インターネットに詳しい人に聞いてみる」に変更。すると担任の先生と先輩から、プログラマーとつながるためのヒントをもらうことができました。
でも、「ネットでつながっただけで本当につながったといえるのか?」ひでくんにはモヤモヤが残りました。

  • ステップ3
  • ステップ4

▼ステップ3 思い切って先輩に会って話を聞きます。
そして、ひでくんが「ゲームプログラマーになるためには、同等の知識と、ゲームを作りたいという気持ちを持つことが一番大事」ということを知ることができました。

▼ステップ4 「プログラマーとつながりたい」という漠然とした思いから始まった探究でしたが、さまざま人とつながることの大切さに気付き「ゲームプログラマーになりたい!」という自分の本当の気持ちを発見することができました。

  • ひでくんのレポート
  • 楽しかったひでくん

ひでくんがレポートに書いた、今後さらに探究してみたいことは…

・ゲームプログラムに関係する資格(情報処理検定)を受けてみる。その検定についても調べていきたい
・ゲームプログラミングの力を付ける前に、パソコンについての力がないから、その力、基礎をつけていく

ひでくん 「探究を始める前は面倒くさいかなって思っていましたが、やってみるとスゲー楽しくて、もうちょっと話してみたいな。もうちょっとこのことについて聞いてみたいなって思いました。」

ひでくんの次の課題は…「いっしょにゲームを作っていく人とゲーム作りを通してつながったら、ゲームプログラマーの道につながるかもしれない。」


あなたなら、人とつながることで何が生まれるでしょうか?

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