NHK高校講座

社会と情報

Eテレ 隔週 木曜日 午後2:00〜2:20
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第15回 法律と個人の責任

個人情報はなぜ大事?

  • NHK学園高等学校教諭 鈴木 祐
学習ポイント学習ポイント

個人情報はなぜ大事?

  • 緑川光さん
  • 松田好花さん

第15回のテーマは「個人情報はなぜ大事?」。
司会は緑川光さん、一緒に学んでいくのは日向坂46の松田好花さんです。

個人情報って何?
  • 個人情報はどれ?

個人情報とは、何か。
「個人情報の保護に関する法律」によれば、生存する個人に関する情報で、特定の個人を識別することができるものとされています。
ほかの情報と容易に照合することができ、特定の個人を識別することができるものも含みます。

では、氏名や学歴、身長・体重など、個人情報にあたるのは、どの情報だと思いますか?(画像)
松田さんと一緒に、考えてみましょう。

  • 生徒の生年月日と性別、出身中学、3つすべてが個人情報
  • IDやパスワードも場合によっては個人情報に含まれる

個人情報とは、一般的に「個人を特定できる情報」とされています。
電話番号や住所、氏名は、個人情報にあたります。
また、生年月日や学歴などの情報は、それだけでは個人が特定できなくても、いくつかの情報を組み合わせると個人を特定できるので、個人情報にあたります。

例えば、ある学校の中で、生徒の生年月日と性別、出身中学の情報が漏れてしまった場合、3つの情報を組み合わせれば、どの生徒かを特定することができますよね。
この場合、3つすべてが個人情報にあたります。(画像・左)

また、IDやパスワードも、それだけでは個人情報にはあたりませんが、仮にこの2つがセットで漏えいしたら、名前や住所、電話番号などの個人情報にアクセスできる恐れがあるため、場合によっては個人情報に含まれるのです。(画像・右)

個人情報とプライバシー
  • プライバシー

そして、松田さんが個人情報にはあたらないと思った、交友関係や身長・体重などの情報。
みなさんは、自分のこうした情報を他人に勝手に公表されたら、どう思いますか?

私的生活にかかわる情報は、プライバシーという、他人に知られない権利で守られる情報です。
インターネットの閲覧履歴や商品の購入履歴なども、プライバシーにあたります。

  • 写真などの肖像は個人情報とプライバシーどちらにもあたる場合がある
  • 写っている人のことも配慮しましょう

また「写真」などの肖像は、個人情報とプライバシーのどちらにあたると思いますか?
実は、個人情報とプライバシー両方にあたる場合があります。

写っている人物を知っている人が見れば誰かを特定できる写真は、個人情報にあたります。
また、いつ、どこに、誰といたかがわかる情報が写っている場合は、プライバシーにあたります。

個人のプライバシーの保護として、承諾なしに、みだりにその容ぼうなどを撮影されない権利があります。
写真などの撮影、公表にあたっては写っている人のことも配慮しましょう。

個人が特定される仕組み
  • 鈴木祐先生

個人情報について、鈴木祐先生に教わります。

鈴木先生 「今は手軽に写真や動画を撮影して、アップロードすることができますが、そこには文字以上の情報が含まれているケースが多いんですね。」

では、どんな写真が個人の特定につながるのか、例を見ていきましょう。

  • 山が写った写真
  • カラオケ

まずはこちら。(画像・左)

緑川さん 「山に詳しい人は、あれが何の山ってわかりますよね。」

松田さん 「(左下の)カラオケとか。」

鈴木先生 「まず、写真の左側。洗濯物の干し竿の一部が写っていて、おそらく山の高さから、これはマンションか何かのベランダから撮ったんではないかと、想像できます。
あと、写真左下のところにガスタンク、カラオケ屋さんですね。こういう位置関係を見ることによって、場所を特定するということができるようになっています。」

  • SNSのプロフィール
  • SNSに投稿した写真

次は、SNSの投稿を例に見てみましょう。

鈴木先生 「まず、プロフィールを見てください(画像・左)。高等学校とか、何年生というようなことも書いてあります。どの辺に住んでいるかっていう地域が特定できます。」

鈴木先生 「次の写真ですね(画像・右)。町名とかが写っているお祭りの名前を出すと、どこの地域なのか、町内会まで特定できてしまう。」

  • 自宅前から撮った写真

鈴木先生 「自宅の近くから撮った写真を載せると、例えば太陽の位置関係から、写真を撮ってるのは西側だというようなことがわかったり、向かいの屋根の色から町内がわかっているので、地図アプリとかで特定しやすい。」

鈴木先生 「今は地図アプリの中に自分が入り込んだような形で、景色を360度見渡せるというようなアプリもありますので、わざわざ行かなくても場所の特定ができちゃう、ということになります。」

鈴木先生 「どこまでの情報を公開していいか、自分の中で明確にしておいて、それ以上の情報が含まれないかチェックしてから投稿する、ということが大切です。
投稿するときに時間差をつけて投稿する。リアルタイムに投稿してしまうと、今いる自分の場所がわかってしまいますので。」

  • ジオタグ
  • 写真の投稿で気をつけること

ほかに、ジオタグにも気をつけましょう。
携帯電話やスマホで撮影した写真を、位置情報が記録されたままインターネット上に公開すると、撮影場所が特定されてしまいます。
また、最近の写真は、ガラスや反射しやすいもの、さらには瞳に写る景色まで、拡大して見ることが可能です。
被写体の周りはぼかすなど、加工を施すことも、個人情報を守る方法のひとつです。

サービスの利用と個人情報
  • アプリやサービスで必要になる情報

個人情報やプライバシーはサービスを利用したり、社会で生活するために必要な場合があります。
例えば、地図アプリの案内サービス、メッセージアプリ、音楽視聴サービスではどんな情報が必要になるでしょうか?

まず、地図アプリでは、位置情報や行動履歴が必要になります。
メッセージアプリは、電話帳。
音楽視聴サービスでは、決済情報、視聴履歴、そしてお気に入りを登録することによって、もっと便利にサービスを受けることができます。

鈴木先生 「自粛するばかりではなく、何が必要で、何を守るか。これを判断できるようになれば、よりいいサービスを受けることができる、ということになります。」

安全なネットサービスとは
  • 齋藤良和さん

インターネットのサービスを安全に利用するためのシステムは、日々進化しています。

訪れたのは、フリマアプリを展開している会社。
フリマアプリとは、インターネット上でフリーマーケットのように、個人同士が品物を売り買いできるサービスです。
齋藤良和さんにお話を伺いました。

齋藤さん 「弊社では出品者と購入者、双方が安心安全にお取引を楽しんでいただけるように、取引が終わるまでの間、購入代金を私どもがお預かりする、エスクロー決済というしくみをもうけています。」

  • かつてのインターネットオークション
  • 現在主流の取引方法

インターネットが普及して間もないころの、オークションサービスなどでは、出品者と購入者が、直接売買のやりとりをしていました。
そのため、「お金を振り込んだのに、商品が届かない。」といったトラブルや、「住所を教えたくない」という人は利用を躊躇する、ということもありました。(画像・左)

今では、購入者は、サービスを仲介する企業に代金を預け、取引が完了してから出品者に支払われる、というシステムが主流になっています。
そして、商品の発送には欠かせない「氏名や住所」といった個人情報も、こちらのサービスでは仲介しています。

齋藤さん 「お互いの住所や氏名を明かさずにやりとりすることができる、プライバシーに配慮した、匿名配送というしくみを持っています。
個人情報保護の観点からも安心・安全ですし、個人情報の管理を気にする方にも購入してもらいやすくなります。」

  • QRコード

この匿名配送システムを支えているのが、QRコード。
出品者が商品を発送するとき、宛名や住所の代わりに、この配送用コードを使います。

配送業者がこれを読み取ることで、サービス会社との間で共有している、データベースにある購入者の個人情報にアクセスできる、というしくみです。

また、仲介に入る企業自身も、個人情報の取り扱いには注意を払っているそうです。

齋藤さん 「全社員が個人情報の取り扱いに関する研修を受けています。また、お客様の個人情報へは、専門部門の担当者がセキュリティの高いエリア内で、必要なときにしかアクセスすることができないようになっています。」

  • 個人情報が含まれるので出品してはいけません

では、私たち利用者自らが気をつけるべきことは、何でしょうか?

齋藤さん 「例えば、卒業アルバムや身分証など、個人情報が含まれるものに関しては、出品してはいけないと決まっておりますし、発見次第、削除対応をしています。
また、運営会社が用意しているシステムを利用せずに、サービス外部でSNSなどを利用して取引しようとする行為は、お金のやりとりが発生したり、個人情報が悪用されたりしてしまうことにつながるので、やめていただきたいなと思っております。」

知らない人同士が簡単にやりとりできるのは、インターネットならではです。
仲介する企業が、適切に個人情報を扱うことで、利便性と安全性が担保されるようになっています。

個人情報の管理
  • 個人情報保護ポリシー

鈴木先生 「安心して利用できるサービスかどうか、自分で検討していく必要があります。
判断材料は、例えばプライバシーポリシーや個人情報保護方針ですね。サイトでもアプリでも、きちんとしたものにはたいてい書いてあるものになります。」

緑川さん 「ここだけは読みなさい、っていうところはありますか?」

鈴木先生 「個人情報の利用規定のところだとか、どういうところに情報を提供しているのか。あとは、個人情報の利用の目的ですね。こちらはしっかり調べていただいたほうがいいかなと思います。」


それでは、次回もお楽しみに!

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