NHK高校講座

社会と情報

Eテレ 隔週 木曜日 午後2:00〜2:20
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第4回 アナログからディジタルへ

ディジタルデータの特徴

  • NHK学園高等学校教諭 鈴木 祐
学習ポイント学習ポイント

ディジタルデータの特徴

ディスプレイの仕組み
  • 緑川光さん
  • 松田好花さん

第4回のテーマは「ディジタルデータの特徴」。
司会は緑川光さん、一緒に学んでいくのは日向坂46の松田好花さんです。

今回はまず、ディスプレイに関する問題から。
スマホの画面を表現する3色の色は何でしょう?

  • 赤緑青の粒
  • 光の三原色

正解は、赤・緑・青です。
スマートフォンのディスプレイを、特殊な顕微鏡で拡大してみると、赤緑青3色の小さな粒が並んでいます。
この赤緑青は光の三原色といって、その頭文字をとって一般にRGBと略されます。
この3色のバランスによってさまざまな色を表現できるのです。

  • 写真を拡大
  • 顔の部分と白の部分の比較

例えば、写真の顔の部分を拡大してみると、赤が明るく光り青はほとんど光っていませんが、白い部分を拡大してみると3色とも明るく光っています(左図)。
比べてみると3色の明るさのバランスが違っているのがよくわかります(右図)。

このようにスマートフォンのディスプレイは光の三原色、RGBの粒で表現しているのです。

  • ディスプレイと実物の肌の比較

実際の人の肌を拡大してみると肉眼で見たのと同じような色で見えます。

松田さん 「画像だったら三原色、3つの色だったんですけど…。」

この違いは、スマートフォンのカメラで撮影したことで生じます。
その仕組みを見てみましょう。

画像のディジタル化
  • スマホ内部
  • イメージセンサ

スマートフォンには、カメラのレンズ・イメージセンサ・コンピュータが内蔵され、表側にはディスプレイがあります。
レンズの奥にあるのがイメージセンサ。
画像を3色の粒にするのに、このイメージセンサが重要な働きをしています。

  • ディスプレイとイメージセンサ比較
  • イメージセンサ拡大

イメージセンサの表面を顕微鏡で拡大すると、ディスプレイを拡大した時に見えた光の粒と同じ、赤・緑・青3色の小さな粒が整然と格子状に並んでいます。
この粒の色は、3色のフィルタの色です。
粒ひとつずつにそれぞれ光を感知する小さなセンサがあり(右図)、スマートフォンの場合、この粒は数百万から数千万個も並んでいます。

  • 標本化
  • 量子化

被写体からやってきた光はレンズを通り、イメージセンサの表面に像を結びます。
そして格子状に並んだ区画ごとに、光の情報処理を行います。
これを標本化といいます。

次に、一つ一つの区画ごとに色のフィルタを通過した光の強さを、256段階の電気信号に置き換えます。
これを量子化といいます。
3色について、それぞれ同じ工程を行います。

  • 符号化
  • イメージセンサ

最後に、その電気信号を2進法の数値に置き換えます。
これを符号化といいます。
この数値がコンピュータに送られます。

コンピュータは情報を0と1の数値にして初めて扱うことができるのです。
コンピュータはその数値を、人が見て自然に感じる画像になるよう計算し、ディスプレイ上のRGBの光の粒の明るさを決めます。
計算結果はディスプレイに送られ、ディスプレイに画像が表示されます。
小さなイメージセンサがR・G・B、赤緑青3色の光の粒を作り出す役割を果たしているのです。

画像のディジタルデータ
  • 三原色の組み合わせで表現できる色の数
  • 赤は左がすべて1、緑は真ん中がすべて1、青は右がすべて1

1色を256段階で数値化し、これを3色組み合わせると16,777,216色表現することができます(左図)。
これを、フルカラーといいます。

三原色は2進法で表すことができます(右図)。

緑川さん 「フルカラーの場合は1画素ごとに8桁+8桁+8桁、24桁の2進法の数値で、コンピュータは色を扱っているんです。」

松田さん 「よく見ると、左側が全部1なのが赤、真ん中が全部1なのが緑、右側が全部1なのが青なんですね。」

  • 2進法と16進法のフルカラー
  • 16進法

緑川さん 「でも桁が多すぎて私たちが見ると間違えてしまったりするので、色を指定する記号#の後に2桁の16進法の数値3組で置き換えたのが、こちら(左図)になります。」

16進法では0からFまでの16個の記号で数値を表すので、2桁ならFFが一番大きい数値です。

  • 左が赤
  • 真ん中が緑
  • 右が青

2進法と16進法、どちらも左が赤・真ん中が緑・右が青を表しており、数値の大きさを見ればどのような色なのかわかるようになっています。

ディジタル画像の特徴
  • 東京工芸大学アニメーション学科
  • 木船園子さん

画像はデータ化されることによって、さまざまなメリット・デメリットが生じます。
ここからは、ディジタルデータの特徴についてみていきましょう。

訪れたのは、東京工芸大学芸術学部アニメーション学科。
学生たちがアニメーションの制作方法や技術について学んでいます。
教授の木船園子先生にお話を伺いました。

木船さん 「ディジタルになる前は一枚の絵とか物を、少しずつ動かしたものを撮影していって、それを映像として完成させるというやり方をしていました。」

  • アニメーション作成ソフト
  • 色を選ぶと16進法の数値が表示される

現在のアニメーションは、ディジタルデータをコンピュータで扱って画像を仕上げるのが主流になっているといいます。
アニメーション作成ソフトを使用しています。ディスプレイが手書きの線画をそのままディジタル化するイメージセンサのような働きをします。
このソフトで色を塗る作業は、16進法で色を指定する方法を活用しています。
色を選ぶと16進法の数値が表示され、使う色は#EAE4CFと決まりました(右図)。

  • 絵の具で塗るのに比べると格段に速い

そしてアウトラインで囲われた部分を選択すると、コンピュータはその部分の画素すべての色のディジタルデータを一瞬で書き換え、選択した色で塗ることができます。
絵の具で塗るのに比べると格段に速く色を塗ることができます。

これらの作業は、すべてコンピュータでは2進法のディジタルデータによって処理されているのです。

アニメーションは少しずつ動いた絵を何枚も描き、同じ色を塗る必要がありますが、ディジタルなら同じ数値の色を設定するだけです。

  • 栗田さんの作品
  • 栗田百嶺さん

卒業生の栗田百嶺さんの卒業制作。

栗田さん 「手書きのアナログアニメーションというもので、紙に鉛筆で書いて、その上から色を乗せてスキャンっていう方法で作っています。」

  • 切り抜き
  • ぼかし処理

手書きの絵をスキャニングしてディジタルデータにし、画像編集ソフトで切り抜きます(左図)。
画像編集ソフトは、指定した特定の色を自動で認識して不必要な部分だけを切り抜いた、ディジタル画像を作ることができます。
大きさの調整、同じ物の複製、主人公との合成、ディジタルデータの特徴をフル活用しました。
別のシーンでは奥行きを感じさせるために、手前の花をぼかす処理もディジタルで行いました(右図)。

栗田さん 「ディジタルというものが介入してしまうと、アナログ感というのが薄れてしまうところも出てきてしまうので、そこを消さないようにというのは日々心がけています。」

  • 渡辺さんの作品
  • 渡辺悠太さん

卒業生の渡辺悠太さんの作品では、手作りのフェルト人形を、カメラで撮影して作ったディジタルデータをアニメーションソフトで動かしています。

渡辺さん 「羊毛フェルトという綿のようなものを針で刺して形作ってできた素材で人形を作り、少しずつ動かしていって動画を作っていくストップモーションという手法を用いています。」

  • 合成して作った画像

たくさんの写真を合成して作っているシーン。
合成をする際にまるで一緒に撮影しているかのように見せるため、色や明るさをコンピュータで調整しています。

色の変更、回転・拡大・縮小などを簡単に行えるのは、コンピュータが画像をすべて0と1のディジタルデータで管理し、処理しているからです。

木船さん 「絵画・美術・彫刻・デザイン・イラストレーション、そういうところを勉強する、そういう力を身につけた上で表現ができるようになっている人が、ディジタルを使ってもいいものを作ることができるんじゃないのかなと思います。」

広がるディジタル表現
  • 3DCG
  • ディジタル画像の物体

滑らかな動きを実現する3DCGを利用したアニメーション。
3DCGとは、実際には存在しないものや撮影が難しいものを、コンピュータでディジタル画像として表現する方法です。

座標の値をもとにコンピュータの中で物体の動きを作り出します。
座標の数値は0と1に変換されコンピュータは処理します。
物体にはディジタル画像を貼り付けることもできます。
画像のディジタルデータは座標を元に計算され、瞬時に動きとして表示することができます。
これはディジタル画像の利点、情報の加工が容易という特性を生かした表現です。

ディジタルデータなら実写や3Dデータなども組み合わせて多彩な表現が可能です。

ディジタルのメリットとデメリット
  • 鈴木祐先生

ディジタル化のメリット・デメリットについて、鈴木先生に教わります。

鈴木先生 「情報の加工はディジタル化の大きなメリットです。ほかにも、ディジタルなら情報をコピーや伝達をしても劣化しないというメリットがあります。

緑川さん 「以前のアナログビデオは、コピーを繰り返すと画質がひどいことになりましたもんね。」

鈴木先生 「ただ、ディジタル化にはデメリット・マイナス面もあります。そのままの画質でコピーが作れてしまうので、著作権に留意する必要があります。デメリットはほかにもあります。」

  • フルカラーで撮った空のグラデーション
  • アナログデータとディジタルデータ

左図はフルカラーで空のグラデーションを表現した画像ですが、しま模様が見えます。
アナログデータは曲線のもの、棒グラフはそのデータをディジタル化したものです(右図)。
アナログは滑らかな曲線を描いていますが、ディジタルは階段状になっています。

  • 標本化・量子化の過程で微妙な情報が失われる

標本化、量子化をする際に微妙な情報が失われてしまうのです(図)。
空のグラデーションは、微妙な色合いが失われてしまったため、しま模様になったのです。
標本化、量子化を細かく行えばきれいに表現することも可能ですが、今度はデータ量が膨大になってしまいます。

鈴木先生 「これまでも技術の発達でさまざまな問題を解決してきました。今後の技術革新を待って、ディジタル化のメリットを上手に活用していきたいですね。」

変わるディジタル表現
  • 立体映像を表示するディスプレイに映った地球

最近実用化された、立体映像を表示するディスプレイ。
今までの立体映像は立体メガネなどを使う必要がありましたが、これは直接目で3D映像を見ることができます。

鈴木先生 「現実にはその場で見ることができないものを立体的に見ることができるので、例えば動く立体図鑑や医療分野などでの活用が期待されています。」

それでは次回もお楽しみに!

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