NHK高校講座

数学T

Eテレ 毎週 月曜日 午前10:30〜10:50
※この番組は、前年度の再放送です。

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今回の学習

第12回 2次関数

2 次関数の頂点

  • 湘南工科大学特任教授/湘南工科大学附属高校教育顧問 湯浅 弘一
学習ポイント学習ポイント

2 次関数の頂点

  • ばんび/あすみ
  • アイク/湯浅先生

数学Tの時間です!
この番組のMCはみみずくのアイク、みなさんといっしょに学習していくのは、藤本ばんびさん、酒井蒼澄(あすみ)さんの2人です。
そして数学を分かりやすく教えてくれるのは、湯浅弘一先生です。

今回のテーマは「2次関数の頂点」です。

今日はプチ冒険がありますよ!

  • 2次関数のグラフ
  • 頂点

ばんび「関数の頂点ってなんですか?」

アイク「頂点ってテッペンのことじゃん」

湯浅先生「2次関数のグラフは、どんな形ですか?」

2次関数のグラフは あすみさんが指で描いた、上の左の画像のような形です。
また、上下が反対になった形もあります。
これは放たれた物が描く線の形であり、放物線といいます。

放物線の1番上、もしくは1番下のところを頂点といいます。

今回は、式とグラフの関係について、詳しく見てみましょう。

Step1 1次関数の平行移動の公式
  • y=xのグラフをx軸方向に「p」移動した式
  • y=xをy軸方向に「q」移動した式

1次関数「y=x」の平行移動について見てみましょう。

y=xを、x軸方向に「1」ずつ移動すると
(1,0)を通るとき y=x−1
(2,0)を通るとき y=x−2
(3,0)を通るとき y=x−3
と変化します。

一般に、y=xのグラフをx軸方向に「p」移動した式は、xにx−pを代入して
y=x−p
になります。

y軸方向への移動も考え方は同じです。
y=xをy軸方向に「q」移動した式は、yにy−qを代入して
y−q=x
になります。

y=ax+bを平行移動した式

1次関数y=ax+bを、x軸方向にp、y軸方向にq、それぞれ平行移動した式は、xにx−pを、yにy−qを代入します。

すると、y−q=a(x−p)+b となります。
これが1次関数の平行移動の公式です。

この公式は大切なので覚えておきましょう。
この平行移動の公式は、2次関数でも同じように使うことができます。

Step2 2次関数の平行移動と頂点
  • y=ax<sup>2</sup>のグラフを平行移動
  • 2次関数の頂点の座標が一目で分かる

a>0としたときの、y=axのグラフの頂点の座標は原点O(0,0)です。

このグラフをx軸方向にp、y軸方向にq平行移動させると、上の左の画像のようになります。
頂点も同じ値だけ移動するので、座標は(p,q)です。

平行移動した式は1次関数と同じように、移動前の式のxにx−pを、yにy−qを代入します。 
そして−qを移項して
y=a(x−p)+q
(a≠0)
となります。
これを2次関数の標準形といいます。

この式から、2次関数の頂点の座標が一目で分かります。
また、逆に2次関数のグラフから式がわかるということです。

2次関数の標準形
  • 2次関数の式を求めなさい
  • ばんびさん正解

では、次の問題をやってみましょう!
上の左の画像はy=xを平行移動したグラフです。
この2次関数の式を求めなさい。

ばんびさんは、グラフから頂点の座標を読み取り、(2,3)を2次関数の標準形に当てはめました。
y=(x−2)+3
として正解です。

  • xに(x−2)を代入しよう
  • 惜しかった!

あすみさんも、頂点の座標を標準形に当てはめようとしたのですが、
左の画像のように、ばんびさんとは違う式になっています。
どう間違えているのでしょうか?

湯浅先生「xの代わりにx−2を代入してあげるんだよね」

あすみ「xは2乗を外して、x−2をカッコしてから2乗をつけないとダメってことですね」

標準形の式の形に変形しよう

ウォーミングアップはここまで。
次の問題です。

y=x−6x+9の頂点の座標を求めなさい。

2次関数の標準形の式
y=a(x−p)+q (a≠0)
pとqは頂点の座標を表しています。

そのため、問題の式を標準形の式の形に変形できれば、頂点が分かるということになります。
このように、2次式を、頂点がわかるように1次式の2乗の形に変形することを平方完成といいます。

言葉は難しそうに聞こえるかもしれませんが、1つ1つステップを踏んで行けば大丈夫です。

平方完成への道

「平方完成への道」にはいくつかの難所があります。
それらを乗り越えて、“2次関数の頂点”を目指しましょう!

その1 標準形の式の(x−p)に注目!
  • 乗法公式の平方タイプ

標準形の式の(x−p)の部分に注目すると、1次式の2乗、つまり平方の形になっていますね。
これは、乗法公式の平方タイプでした。

その2 乗法公式を使う
  • 乗法公式の右辺と比べよう
  • 標準形にできれば頂点の座標が分かる

(a−b)=a−2ab+b
は、乗法公式の平方タイプのマイナスバージョンです。

この乗法公式を利用して、問題の式 y=x−6x+9 を(a−b) の形にしてみましょう。

そうすれば、標準形になり、頂点の座標がわかるはずです。

【難所】2乗の形を作れ
  • 問題の式と乗法公式を見比べる
  • 問題の式を1次式の2乗の形に

ここが「平方完成への道」の難所です。
問題の式から2乗の形を作ります。

問題の式の右辺と、乗法公式の右辺を見比べると、何となく似ています(上の左の画像)。

乗法公式のaをxに置き換え、さらに2xbのbとxを入れ替えて2bxにすると(上の右の画像)、問題の式の右辺の形にますます近づきました。

  • 公式の2bxと同じ形に
  • xの係数の半分と、その2乗に

問題の式を平方完成するために、まずxの1次の項の係数−6に注目します。

6=2×3
なので、それを問題の式に当てはめると、上の左の画像のように
y=x−2・3x+9
となり、公式の2bxと同じ形にできました。
また、定数項9は3の2乗です。

  • a=1
  • 頂点の座標は(3,0)

問題の式を変形します。
y=x−6x+9
y=x−2・3x+9
y=(x−3)
平方の形になりました。

頂点の座標を求めたいので、これを標準形の式に当てはめましょう。

アイク「aに当たる数は?」

あすみ「aに当たる数は1かな?1だから省略されていると思う」

湯浅先生「そう。カッコの前の1は省略されています」

アイク「ばんび。pは?」

ばんび「pは3」

最後に、標準形のqは0です。

つまり、この2次関数の頂点の座標は、(3,0)ということになります。

パラボラアンテナの仕組み
  • パラボラアンテナの断面は放物線の形
  • 焦点

2次関数のグラフの形は放物線。
「放物線」は英語で「parabola(パラボラ)」といいます。

「パラボラアンテナ」のパラボラです。
パラボラアンテナの断面は、放物線の形をしています。

放物線には、入ってくる光や電波を1点に集める性質があり、この点を「焦点」といいます。
衛星放送では、遠くにある人工衛星から届く電波を、パラボラアンテナの焦点に設置した受信装置で、効率よく受け取っているのです。

【難所】余分な数を引け
  • 先ほどの問題はカッコの2乗だけ
  • xの2次と1次の項にだけ注目

では次の難所に挑戦…ということで、問題です。

y=x−6x+11の
頂点の座標を求めなさい。

あすみ「これってカッコの2乗の式、使えないですよね…」

アイク「このミッション、何だった?」

ばんび「余分な数を引け…」

湯浅先生「そういうときはxの2次と1次の項だけ注意して見るんです」

つまり、x−6x だけに注目するということです。

その3 xを含む項だけに注目
  • 係数が「2・b」という形になるように
  • 9じゃない…

与えられた式を(x−b)の形にするために、xを含む項に注目します。

この式のxの1次の項の係数は−6であり、6=2×3です。

湯浅先生「ということは、(x−3)の形にできそうな感じですけど…」

あすみ「11の定数項は、9じゃないから… 」

困ったあすみさんに、湯浅先生がヒントを出します。

  • 9をなんとかしたい
  • 定数項から余分な9を引く

湯浅先生「じゃあ仮にxの2次と1次の項だけで(x−3)にすると、増えてしまっている数がありますよね」

あすみ「9です」

湯浅先生「この9を何とかしないといけないですよね」

ここで、もう一度ここでのミッションを思い出してください。
「余分な数を引け」でしたね。

つまり、(x−3)+11にすると、9が余分になってしまうので、この9を引きましょう。

湯浅先生「どこから引く?」

あすみ「11から引きます!」

計算すると、
y=x−6x+11
 =(x−3)+11−9
 =(x−3)+2

となりました。
つまり、この式の頂点の座標は(3,2)となります。

ついに2次関数の頂点に到着です。

  • 次回もお楽しみに!

湯浅先生「今回は、最初に平行移動から頂点が分かることを学びました。そして今度はその計算をしようと、そういう冒険をしてきたわけです。でも私の存在も忘れないでね(笑)。私も一緒に参加してたからね」


それでは、次回もお楽しみに!

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